レイカーズの八村塁はグリズリーズの敬意に欠ける守備にどう応えているのか?|NBAプレイオフ2023

Stephen Noh

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4月17日(日本時間18日)のロサンゼルス・レイカーズ対メンフィス・グリズリーズのファーストラウンド・シリーズ第1戦で八村塁が29得点の爆発的な活躍を見せた後、デズモンド・ベインは八村のパフォーマンスは一度限りのまぐれだと思うとコメントした。

「彼のこれまでのキャリアでベストゲームだったんじゃないかな」とベインは言った。

「(プレイオフは)7戦のシリーズだ。水曜(第2戦)にまたやれるかどうかお手並み拝見といこう」

八村はそれにどう応えたのか。

19日(同20日)の第2戦で20得点をあげ、ベインのトラッシュトークを黙らせたのだ。

八村はこのプレイオフにおけるサプライズだが、私がこのシリーズでレイカーズの『Xファクター』として彼を選んだ理由そのままの活躍を見せている。1試合平均24.5得点はレブロン・ジェームズと並んでチーム最多タイ記録であり、彼はベンチ出場から2試合連続の20点ゲームを披露し、マジック・ジョンソンと並ぶレイカーズの記録に名を連ねた

では、レギュラーシーズンではレイカーズで1試合平均9.6得点しか取れなかった八村が、なぜ今、得点をリードしているのだろうか。

八村塁はグリズリーズのゲームプランを利用

八村がとてつもないオフェンスの数字を叩き出しているのは、グリズリーズが意図的に彼をオープンにしているからだ。

「それが僕らのゲームプランだった」と、第1戦の後にベインは話している。

「八村にシュートを打たせることがね」

確かに八村はシュートを打っている—レギュラーシーズンでは、レイカーズでわずか29.6%の成功率だった3ポイントショットが、今は成功率70.0%に達しているのだ。

彼のシューティングの数字が持続しないのはは明らかである。しかし、グリズリーズが彼にクリーンルックを与えれば、彼は非常に高い確率でシュートを打ち続けることができるはずだ。

グリズリーズは、レイカーズがピック&ロールをしかけたときに八村からかなり離れたところに下がることを選択している。八村のディフェンダーは、ドライブでフロアの中央を封じるためにネイル(フリースローラインの中心)に立っている。

その結果、八村はワイドオープンになり、キャリアで最も簡単なシュートを打つことができるのだ。

八村のチームメイトもグリズリーズが何をしようとしているのか正確に把握している。

レイカーズのガードのディアンジェロ・ラッセルは、「彼らは彼にボールを打たせているけど、彼には十分にこなせるよ」と、第2戦の後で『Spectrum SportsNet』の中継で話している。

「実際のところ、彼はこのシリーズを支配することができると思う」

ネイルで積極的にヘルプに行けば、八村のドライブレーンを開けることにもなる。八村のディフェンダーは彼に対して厳しくクローズアウトしなければならないが、そのおかげで、彼は「スタンピード(stampede)」、つまりパスをキャッチしたらすぐにバスケットに向かうことができるのである。

ルーク・ケナードに八村塁は止められず

グリズリーズはまた、第2戦ではディフェンスでより多くスイッチすることを選択した。それにより、八村は、小柄な選手、特にケナードとのミスマッチを起こすことができた。

このポゼッションで、ケナードが、彼よりはるかに力強い八村をガードできるチャンスは全くなかった。

八村の攻撃力のためにグリズリーズはその作戦を実行することが非常に難しくなっており、そのことは彼がなぜ貴重な選手であるのかを証明している。

このシリーズの残りの期間、八村がフィールドゴール成功率69.2%、3P成功率70.0%の確率でショットを打ち続けることはないだろう。しかし、彼が残した得点力は決して偶然の産物ではない。

グリズリーズがディフェンスの戦略を変え、八村のオフェンススキルをリスペクトするまで、レイカーズは(今のやり方を)続けるべきだ。

原文:How Lakers' Rui Hachimura is punishing Grizzlies' disrespectful defense in first round of 2023 NBA Playoffs
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc

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Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.