2022年12月18日、阪神競馬場で朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ/芝1600m)が行われる。昨年の勝ち馬ドウデュースはその後日本ダービーを制し、2着のセリフォスはマイルチャンピオンシップを制した。阪神開催になってからは、このレースの上位馬がその後のクラシックを含めたGⅠで好走していることが多い。
今年も重賞好走馬が多数登録。暑い戦いが期待できそうなメンバーが揃いそうだ。
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今回は朝日杯FSが行われるコースの特徴、レースラップの特徴、さらに過去の好走血統について分析していく。
■予想・分析①:コースの特徴
阪神芝の外回りを使用する、ワンターンのコースだ。向こう正面前半からスタートし、3コーナーまでの距離は444m。3コーナー手前で若干の上り坂があるが、4コーナーまではほとんど平坦といえるだろう。また、3~4コーナーは682mあり、非常に大きなコーナーである。
直線は474mあるが、初めは4コーナー出口からの下り坂が続く。残り200mからゴール前にかけて、高低差1.8mの急坂が待ち構える。最後の急坂を乗り越えられるパワーが必要になるだろう。
■予想・分析②:レースラップの特徴
8年間の平均ラップは、前半3ハロンが34.8、後半3ハロンが35.0で、やや前傾ラップである。最初の2ハロン目が10秒台後半~11秒台前半で推移し、中盤は12秒前後と少しラップが緩み、最後の3ハロン~2ハロンにかけて再び11秒台前半にペースが上がって行くというものである。
前傾ラップになりやすく上がりの脚がある方が有利ではあるが、同コースで行われる2歳女王決定戦・阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)とは異なり、上がりがあればよいというレースではなさそうだ。
昨年勝ったドウデュースは上がり最速ではあったが、34秒5と特別速いというものではなかった。2018~2020年までは、上がり最速の馬が勝利しておらず、2018年は上がり最速の馬でも上位3着以内に入ることがなかった。
上がりの脚は必要だが、瞬発力よりは長く脚が使える持続力が必要といえるレースといえるだろう。
■予想・分析③:好走血統、不振な血統
父の欄を見れば、ディープインパクトやハーツクライ、ダイワメジャーなど、サンデーサイレンス系の上位種牡馬の名前が並ぶ。ただし、これらの種牡馬を持つ馬は今年の出走馬にはいない。
上位進出馬の血統表を眺めると、近年の好走馬には特徴があった。それは、ナスルーラ系(特にグレイソヴリン系、ボールドルーラー系)内包馬の活躍が目立っている点だ。直系ではないがスタミナや持続力を補っており、このレースに合っているといえる。
これらの血が入っていなくても、母系がアイルランドやイギリスといった欧州血統だと好相性。2017年勝ち馬ダノンプレミアム、2018年勝ち馬アドマイヤマーズの母馬はともにアイルランド産、2017年3着タワーオブロンドンの母馬はイギリス産であった。母馬の産地と血統にも注目だ。
一方で父母ともに日本の主要血統だと、このレースでは相性が悪い傾向にある。2018年3番人気ファンタジスタは、父ロードカナロア、母父ディープインパクトという、日本の主流血統の組み合わせだったが、4着に敗れた。
また、日本血統と米国血統のかけ合わせもこのレースでは相性が悪い。昨年2番人気5着のジオグリフは、父ドレフォン、母父キングカメハメハで、グレイソヴリン系やボールドルーラー系のない方はない馬だった。
■まとめ
今回の分析をまとめると……
- 直線急坂のあるコース(急坂への対応力が必要)
- やや前傾ラップの傾向だが、極端な瞬発力勝負にはなりにくい(長く脚が使える持続力が必要)
- グレイソヴリン系やボールドルーラー系内包馬の活躍が目立つ(母系が欧州血統馬の活躍も目立つ)
同じコースで行われる阪神JFとは求められる質が異なるレース。瞬発力だけではなく地力も求められることから、3歳以降の活躍馬も出てくるのだろう。出世レースを制するのはどの馬になるのだろうか。
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