ブレイク・スネル加入で2025年ドジャースの先発ローテーションはどう変わる?

Dan Treacy

石山修二 Shuji Ishiyama

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ドジャースがまた戦力を拡充させていく。

昨冬に総額10億ドル以上を費やして戦力を拡充したワールドシリーズ・チャンピオンは、今年は少し静かにしているのでは?という予想を裏切り、現地11月26日(火)の夜にブレイク・スネルと5年総額1億8200万ドルの契約に合意した。

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これまでにサイ・ヤング賞を2度受賞したスネルは、ジャイアンツでの唯一のシーズンを不安定な滑り出しを見せたが、その原因は契約が遅れたことにあると語っている。実際、数字もそのコメントを裏付けている。スネルは終盤戦で圧倒的な強さを発揮し、最後の先発14試合では防御率1.23、114奪三振という成績を残した。

主要なフリーエージェント選手の中では先陣を切ってスネルが契約に合意したことで、ドジャースのローテーションは突如、10月のワールドシリーズ時点よりもグレードアップすることとなった。

ここでは、スネルを加えた2025年のロサンゼルスの先発ローテーションがどうなっていくのかを見ていこう。

ドジャースの2025年先発ローテーション予想

  1. 山本由伸
  2. タイラー・グラスノー
  3. ブレイク・スネル
  4. 大谷翔平
  5. トニー・ゴンソリン

先発ローテーションの中での順番は開幕直前まで決まらないかもしれないが、それもデイブ・ロバーツ監督にとっては嬉しい悩みだ。他のチームであれば間違いなく先発一番手になれる投手がドジャースでは4人もローテーションに名を連ねている。

山本はメジャー1年目から、体調さえ万全であればエース級の活躍を披露した。グラスノーは故障の多い選手ではあるが、忘れるわけにはいかない存在感を見せた。レイズの元エースは、肘の故障により夏場に戦線離脱するまでの16試合の登板で防御率2.88、135奪三振を記録している。

2024年のグラスノーの先発22試合がキャリアハイであったことは注目に値する。たとえ100%の状態でシーズンを迎えたとしても、グラスノーがシーズンを通じてフルで活躍することを期待するのは難しい。

だからこそ、ドジャースはこれほど多くの力ある投手が在籍しているにもかかわらず、スネル獲得を必須だと感じたのだろう。制球力に難があるようにスネルは完璧な投手ではないが、これまでのキャリアで大きな故障もなく、ピーク時にはメジャーリーグ屈指の制球力を披露してきた。ロサンゼルスで一番手になろうと四番手であろうと、スネルは常にノーヒットノーランを達成する実力を秘めており、他の投手に怪我人が出た場合には、ローテーションを安定させてくれる存在になるはずだ。

大谷の投手復帰はワイルドカードと言える。2023年以来のマウンド復帰となる大谷をドジャースは先発要員として起用する想定だが、スネルがいることでプレッシャーはかなり軽減されるだろう。

そしてオールスター選出も果たした2022年の活躍を再現できていないトニー・ゴンソリンを五番手に予想しているが、フリーエージェントとなったクレイトン・カーショウは2025年には復帰予定であり、復活を期す若手のボビー・ミラーもまだチームに残っている

問題は佐々木朗希だ。スネルを獲得したドジャースには、まだ佐々木と契約できる可能性はあるのだろうか? 資金面から言えばイエスだろう。年齢的に佐々木には国際的なアマチュア・フリーエージェントのルールが適用されるため、1年前の山本由伸よりもはるかに安価で獲得することができる。

すでに大物選手が揃っており、自分の影が薄くなってしまう可能性のあるチームの五番目の先発投手になることについて、佐々木自身が嫌気がさすことはないだろうか? 現時点で他の29球団が期待できるのはそれだけかもしれない。ワールドシリーズを制したチームで大谷や山本とプレーできることは、佐々木にとって非常に魅力的に映るに違いない。

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ブレイク・スネル加入のメリットは

スネルにはいくつかの欠点があり、その一つは効率が良くないことだ。調子が良いときは野球界で最も手が付けられないピッチャーとなるが、制球難で球数が多くなるため、6イニング以上投げ切れないことが多い。

それでも、スネルは他の部分で圧倒的な強さを発揮し、四球やフルカウントをものともせず、相手打者を打ち取ってきた。2023年には9イニングあたり5つの与四球と、打者を一塁に歩かせる率が高かったにもかかわらず、サイ・ヤング賞を獲得した。

ドジャースのローテーションが期待通りに機能するなら、スネルを馬車馬のように働かせ、多くのイニングを投げさせる必要は生じないだろう。スネルは先発して5、6イニング好投してくれればOKだ。ロバーツ監督はこの10月からのポストシーズンで、先発投手が期待通りに投げられない(あるいは先発投手がいない)場合でも、投手陣をうまく管理できることを証明した。

興味深いのは、ドジャースの先発投手陣の中には核となる真のエースがいないということだ。大谷が打線にもたらすインパクトを考慮すると、ロサンゼルスは常に大谷の右腕を最大限に生かすことに細心の注意を払うだろう。山本とグラスノーの両投手は2024年にも腕の故障で戦線を離脱している。 山本は体格も小柄なので、より怪我をしやすい可能性がある。そしてグラスノーはキャリアを通じて故障がちな選手だ。

ドジャースの先発投手陣は6回以降も安定して投げることができないかもしれない。だが、チームが抱える戦力の層の厚さを考えれば、それすら必要なのかどうか疑問に思うのは当然だろう。

原文:Yankees tried to sign $182 million free-agent ace before joining Dodgers
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)

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Dan Treacy is a content producer for Sporting News, joining in 2022 after graduating from Boston University. He founded @allsportsnews on Instagram in 2012 and has written for Lineups and Yardbarker.

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スポーティングニュース日本版アシスタントエディター