ゴールデンステイト・ウォリアーズはNBAカップでラスベガスでの準決勝に駒を進めることができなかった。だが、今季に力を入れていることを示している。
12月15日(日本時間16日)、ウォリアーズはブルックリン・ネッツとのトレードでデニス・シュルーダーを獲得したことを発表した。
ウォリアーズはこの移籍により、ステフィン・カリーがロスターにいる限りはウェスタン・カンファレンスでタイトルを競っていく目標をさらに目指すかたちだ。今季は開幕から12勝3敗というスタートだったウォリアーズだが、その後は調子を落とし、14勝10敗となっている。
一方、ネッツは序盤戦で競争力を見せ、うれしいサプライズとなっていた。その彼らはひざの前十字じん帯の手術を受けて今季を終えたディアンソニー・メルトンらと引き換えに、ベストプレイヤーのひとりだったシュルーダーを放出したかたちだ。
ここでは、目標が大きく異なる両チームの今回のトレードの評価をまとめる。
トレード内容は以下のとおりだ。
ウォリアーズ獲得:
- デニス・シュルーダー
- 2025年のドラフト2巡目指名権(マイアミ・ヒート経由、トップ37保護条件つき)
ネッツ獲得:
- ディアンソニー・メルトン
- リース・ビークマン
- 2026年ドラフト2巡目指名権(アトランタ・ホークス経由)
- 2028年ドラフト2巡目指名権(アトランタ・ホークス経由)
- 2029年ドラフト2巡目指名権
ウォリアーズの評価
ウォリアーズにとって非常に良い取引だが、「素晴らしい」取引としてB+以上の評価とするにはわずかに及ばない。
今季のシュルーダーは23試合出場で平均18.4得点、6.6アシスト、3.0リバウンドを記録している。ウォリアーズが強く求めていた得点力をすぐにもたらすだろう。また、出場6試合でひざの手術により今季終了となったメルトンを絡めるかたちでこのトレードを実現させた。
様子を見る必要があるのは、シュルーダーがウォリアーズでどうなるかだ。
2020-2021シーズン後にレイカーズを去ってから、シュルーダーは2021年のセルティックス移籍時や翌年のレイカーズ復帰時に、足りないピースとして期待されていた。だが、どちらでも安定せず、完全にはうまくいかなかった。
ネッツでシュルーダーが復調したのは素晴らしい。ただ、彼が活躍した状況と、これからウォリアーズで臨む状況は大きく異なる。ウォリアーズがシュルーダーに求めるのは、今季ネッツで彼が見せてきたようなことではなく、リザーブの役割で安定することだ。
31歳のシュルーダーは、キャリアを通じていくつかの有力チームでプレイしてきたNBAで12年というベテランだ。その彼に期待されることは明白だろう。だが、その期待が大きすぎるのかどうかはまだ分からない。
評価:B+
ネッツの評価
ネッツは将来に集中しつつある。そしてそれは当然のことだ。
2023-2024シーズンを32勝50敗で終えたネッツは、指揮官を新しくし、リーグで最も白星が少なくなると予想されて今季を迎えた。開幕から25試合を消化して10勝15敗という成績は、勝ち越してこそいないが事前の予想をはるかに上回っている。
今回の取引で、ネッツは今季もう出場できない選手と引き換えにトッププレイヤーのひとりを放出した。そうすることで、ロスターにいるもっと若いガードの出場機会を増やすことになる。そしてさらに、彼らはまだ終わらないかもしれない。
今季、ネッツはまだ取引をするだろう。そして彼らは今後何かを起こすためのドラフト資産を蓄えているところだ。チームがリセットボタンを押せるようになる動きを責めるのは難しい。だが、ネッツは制約から見返りにあまり多くを獲得できなかった。
これは「保留」というより、「次回に続く」という評価だ。トレードデッドライン(トレード期限)までの動きで、ネッツは先へと進めていくプロセスを続けていくはずだからだ。
評価:B
原文:Dennis Schroder trade grades: Warriors add win-now scoring punch, Nets shift focus to future(抄訳)
翻訳:坂東実藍
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