千葉ロッテマリーンズのドラフトの評価は？上田希由翔、大谷輝龍の投打の即戦力級を指名｜プロ野球2023

千葉ロッテマリーンズは10月26日（木）のドラフト会議で1位指名の上田希由翔（明治大）をはじめ、支配下で5名、育成で5名の合計10名を指名した。ロッテの現戦力と照らし合わせ、今年のドラフトを評価する。

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ロッテのドラフト指名総評：B

ロッテは1位で東京六大学屈指のスラッガー・上田希由翔（明治大／内野手）を指名。度会隆輝（ENEOS／外野手）、草加勝（亜細亜大／投手）、細野晴希（東洋大／投手）の3人を外し、12球団で唯一4回目の入札を行った。明治大では1年春からリーグ戦に出場し、通算83試合で打率.312、10本塁打、74打点をマーク。通算打点では歴代3位と勝負強さを見せた。

2位では最速159キロを誇る大谷輝龍（富山GRNサンダーバーズ／投手）を指名。小松大谷高卒業後にJFE東日本、伏木海陸運送に2年ずつ在籍し、プロを目指して今季から独立リーグの富山に入団した異色の経歴の持ち主だ。今季は14試合で13.1回を投げて20奪三振を記録し、9月には自己最速を更新する159キロを計測した。

3位の木村優人（霞ケ浦高／投手）は高校トップクラスの評価を受ける大型右腕。4位の早坂響（幕張総合高／投手）は捕手から投手に転向して1年でプロ入りを掴んだダイヤの原石だ。5位の寺地隆成（明徳義塾高／捕手）は高い野球センスを誇る巧打者。

育成でも3度の甲子園を経験した武内涼太（星稜高／投手）など高校生4名、独立から1名を指名した。

1位で抽選を3度外してしまったのは痛かったが、それでも上田を指名できたことは明るい材料だ。上田には即戦力、そして未来の主軸候補として期待がかかる。本職の三塁に加え、一塁や外野も守れるため起用の幅も広い。

今季のロッテの内野は山口航輝、中村奨吾、安田尚憲が規定打席に到達した。そこに割って入るのは簡単なことではないが、持ち前の勝負強さを見せたい。

2位の大谷にも早い段階から活躍して欲しいところだ。今季のロッテは守護神の益田直也がやや不安定だったものの36セーブをマーク。その他の投手も3連投を避ける運用でシーズンを戦い抜いた。大谷が中継ぎの一角として機能してくれればブルペンの層は厚くなる。

一方、先発では規定投球回に到達した先発は小島和哉のみ。種市篤暉、西野勇士、メルセデス、美馬学、佐々木朗希が90回以上を投げたものの、シーズンを通して計算できる投手が少なかった。欲を言えば即戦力級の先発投手を獲得したかったところだ。

3位の木村、4位の早坂、5位の寺地はいずれも高校生ということもあり、数年後の一軍定着を目指すことになるだろう。育成の選手も高校生と高卒1年目の若手中心。じっくりと力を付けて未来の主力へと成長することを期待したい。

今季はソフトバンク、楽天とのデッドヒートを制して2位だったものの、首位のオリックスとは15.5ゲーム差と大きく離された。決して戦力がないわけではないが、投打で絶対的な軸を作るにも至らなかった。獲得できた選手はいずれも好選手ばかりだが、抽選を3度外したこと、即戦力級が少ないことから割り引いた。