ここ数年、プロ野球において「マダックス」という言葉を頻繁に耳にするようになった。マダックスとは、特定の条件を満たした投手が完封を達成したことを表す言葉である。この記事では、この「マダックス」について解説する。
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■マダックスとは
MLBで通算355勝を挙げたグレッグ・マダックス投手にちなんだ言葉で、先発投手が100球未満で完封勝利を達成したことを「マダックス」と呼ぶ。100球未満で完投勝利を挙げても、失点がある場合はマダックスとは呼ばれない。また、9回を100球未満、無失点で投げ切っても、試合が0−0のまま延長に突入した場合も、その時点ではマダックスにはならない。あくまでも「完封勝利」が条件となる。
■NPBでのマダックス達成者
2020年以降、レギュラーシーズンでは15度(14人)がマダックスを達成している。それ以外に、ポストシーズンで1度達成された例があり、また9回引き分けでマダックスとはならなかったケースが1度あった。
マダックス達成者一覧表
※2020年以降
日付 | 投手 | チーム | 球数 | 相手 |
---|---|---|---|---|
2021/05/15 | 小川泰弘 | ヤクルト | 99 | 中日 |
2021/5/16 | 早川隆久 | 楽天 | 98 | オリックス |
2021/10/2 | 髙橋遥人 | 阪神 | 97 | 中日 |
2022/4/16 | 上茶谷大河 | DeNA | 91 | ヤクルト |
2022/4/19 | 加藤貴之 | 日本ハム | 90 | 楽天 |
2022/5/11 | 東浜巨 | ソフトバンク | 97 | 西武 |
2023/4/30 | 東克樹 | DeNA | 97 | 中日 |
2023/10/1 | 大貫晋一 | DeNA | 94 | 中日 |
2024/4/29 | ヤフーレ | ヤクルト | 94 | 巨人 |
2024/6/12 | 伊藤大海 | 日本ハム | 98 | 中日 |
2024/6/12 | 隅田知一郎 | 西武 | 99 | 広島 |
2024/6/16 | 石田裕太郎 | DeNA | 95 | 西武 |
2024/6/25 | 森下暢仁 | 広島 | 91 | ヤクルト |
2024/7/5 | 髙橋宏斗 | 中日 | 99 | 広島 |
2024/7/28 | 伊藤大海 | 日本ハム | 94 | 西武 |
<参考>
日付 | 投手 | チーム | 球数 | 相手 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
2021/4/28 | 山本由伸 | オリックス | 96 | 楽天 | 9回引き分け |
2021/11/10 | 奥川恭伸 | 巨人 | 98 | 巨人 | クライマックスシリーズ |
■「マダックス」の由来となったグレッグ・マダックスとは
マダックスの由来であるグレッグ・マダックス投手は、1986年にシカゴ・カブスでデビューした右腕である。その後、アトランタ・ブレーブス、再びカブス、ロサンゼルス・ドジャース、サンディエゴ・パドレスを経て、再びドジャースに戻り、2008年に現役を引退した。
23年にわたるメジャー生活で、最多勝を3回、最優秀防御率を4回獲得しており、1992年から1995年には4年連続でサイ・ヤング賞を受賞している。また、守備も卓越しており、史上最多となる18回のゴールドグラブ賞を受賞している。
マダックスは優れたコントロールを誇り、現役時代に13度も「マダックス」を達成した。現役引退後には米国野球殿堂入りを果たしており、背番号「31」はブレーブスとカブスで永久欠番となっている。
グレッグ・マダックスの通算成績
744試合(5008回1/3)355勝227敗 防御率3.16
タイトル:最多勝3回、最優秀防御率4回
表彰:サイ・ヤング賞4回、ゴールドグラブ賞18回
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