渡邊雄太からイングルズまで:2023年夏のFAで掘り出しものの3Pシューター

Stephen Noh

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NBAファイナル2023を戦ったマイアミ・ヒートのプレイオフで重要だったのが、マックス・ストゥルースとゲイブ・ビンセントのショット力だった。そして彼らは、リーグで最もサラリーが低い部類の選手たちだった。2022-2023シーズンはともに年俸180万ドル(約2億5920万円/1ドル=144円換算)だ。リーグで370位タイの数字である。

ビンセントとストゥルースはGリーグを渡り歩き、ヒートに見いだされ、フィットするようになった選手たちだ。彼らはヒートでショット力を際立たせ、欠点を隠すことができた。その彼らは大きな報酬アップを勝ち取ったが、同じようにこれから見いだされていくようなもっと安価な選手たちもいるだろう。

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ここでは、環境の変化や機会の増加でもっと成功する可能性のある優れたシューターのフリーエージェント選手たちを見ていく。

Yuta Watanabe Brooklyn Nets
(NBA Entertainment)

2023年フリーエージェントで掘り出しものの3Pシューター

渡邊雄太

NBA入りした時の渡邊は、たいしたシューターではなかった。ルーキーイヤーの3ポイントショット成功率はわずか12.5%だ。だが、リーグで5年を過ごし、彼は名手となった。2022-2023シーズンの3P成功率は50%付近で推移し、最終的に44.4%という数字だ。

渡邊は6フィート9インチ(約206センチ)と素晴らしいサイズで、守備では大変な頑張りを見せる。あまりショットクリエイターではないが、とても堅実なロールプレイヤーだ。

ブルックリン・ネッツのウィングのローテーションが極めて人材過多となったことで、シーズン終盤に向けて渡邊は出場時間を得ることができなくなった。移籍する可能性があり、優れたチームにとって素晴らしいダイヤモンドの原石となるだろう。

セス・カリー

渡邊のチームメイトだったセス・カリーも、プレイタイムが減っていった。ネッツで平均出場が20分間を切っている。

32歳のカリーは以前よりもさらに守備面でマイナスとなっている。だが、まだショットは健在で、2022-23シーズンの3P成功率は40.5%だった。プレイメーク力もあり、ネッツで役割が変わる前は、フィラデルフィア・76ersでジョエル・エンビードのピック&ロールの素晴らしいパートナーだった。

Joe Ingles
(Getty Images)

ジョー・イングルズ

2021-2022シーズンの終わりに34歳でひざの前十字じん帯を断裂し、イングルズはキャリアを終える可能性も疑われた。だが、ミルウォーキー・バックスと650万ドル(約9億3600万円)で1年契約を結び、2022-23シーズンの前半戦を棒に振ったものの、その後はまだ3Pを決められると示した。

レギュラーシーズンの3P成功率は40.9%を記録し、プレイオフでは50%とさらに精度を高めた。来季は36歳となるシーズンだが、非常に賢い選手であり、アウトサイドからの素晴らしいタッチは健在だ。

ジョージ・ニアン

「ミニバン」というニックネームをつけられただけに、どう考えても素晴らしい身体能力のアスリートではない。だが、誰にも劣らないほどのショットを打つことができる選手だ。レギュラーシーズンの3P成功率は40.1%で、プレイオフは46.2%。6フィート7インチ(約201センチ)とサイズも良い。

ニアンは76ersでローテーションの下位に位置する選手だった。プレイオフの出場は平均14.3分間だ。だが、適切な状況では役割を増していくことができるかもしれない。

マリーク・ビーズリー

ビーズリーはリーグ有数の3Pシューターだ。

2022-23シーズンは36分あたりで3P試投が11.3本。これはステフィン・カリー、クレイ・トンプソンに続く数字だ。通算の3P成功率は37.8%。シーズン半ばにロサンゼルス・レイカーズに加入し、浮き沈みのある一年だった。キャリアを通じて守備で精彩を欠き、そのためにコートに立てないこともあった。

1650万ドル(約23億7600万円)のチームオプションがあり、レイカーズはビーズリーの去就を選ぶことができる。もしも彼がFA市場に出ることになれば、ショット力を必要とし、守備での限界をカバーできるチームに役立てるかもしれない。

Damion Lee, 10192022
(NBA Getty Images)

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デイミオン・リー

2022-23シーズンにフェニックス・サンズで3P成功率44.5%を記録したリーは、リーグでも有数のシューターだ。ベンチの最後に座る選手として、6シーズンにわたってNBAで戦ってきた。守備に難があり、3P以外はあまり多くをできない。だが、一部のチームはまさにその3Pを必要とする。

ドンテ・ディビンチェンゾ

2シーズン前、ディビンチェンゾの株は低かった。ひどい足首のケガがあり、ショットが不振だったからだ。トレードで獲得したサクラメント・キングスは、再契約をしないことを選んだ。だが、その恩恵を受けたのがゴールデンステイト・ウォリアーズだ。昨年ディビンチェンゾを獲得し、2022-23シーズンの彼は3P成功率39.7%を記録したのである。

このリストに選んだほかの選手たちよりも、ディビンチェンゾは多くを得ることができるだろう。彼は若く、ディフェンダーとしてもまずまずで、コート上であらゆることを少しずつこなせる。1200万ドル(約17億2800万円)のミッドレベル例外条項が可能なチームにとっては良いターゲットだ。

ジェイ・クラウダー

シーズンの大半を欠場し、バックスに移籍して、プレイオフではエリミネーションゲームに出場することもなかった。だが、コートに立った時はうまくショットを沈めており、レギュラーシーズンの3P成功率は43.6%を記録している。

33歳のクラウダーにはまだ力が残っているだろう。むらがあるシューターだが、恐れることがなく、堅実なディフェンダーでもある。

マット・ライアン

かつてDoorDash社の配達員や墓地での仕事をし、複数のチームでGリーグに送られてきた選手だ。2022-23シーズンはレイカーズで終了間際にタイスコアへ持ち込むフェイダウェイの3Pを決めたことで話題となり、当時のレイカーズで最高のシューターのひとりだったが、トレードデッドライン直前にウェイブ(保有権放棄)され、ミネソタ・ティンバーウルブズに移籍した。

2022-23シーズンの3P成功率は38.8%を記録し、Gリーグでは通算37試合出場で3P成功率40.1%をマーク。この夏は制限つきFAとなる。

その他: トーリー・クレッグ、マイク・マスカーラ、テレンス・デイビス、トレイ・ライルズ、ジョシュ・リチャードソン、タイ・ジェローム

原文:NBA free agency 2023: Here are the best bargain 3-point shooters available, from Yuta Watanabe to Joe Ingles(抄訳)

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Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.