ニューヨーク・ヤンキースはアメリカンリーグ東地区で18勝13敗の成績で首位に立っているが、このオフに失った選手を考慮すると、序盤戦でのこの成功は意外に思えるかもしれない。
2024年にワールドシリーズ進出を果たしたチームは、アンソニー・リゾ、グレイバー・トーレス、クレイ・ホームズといったベテランを手放した。これらは合理的なフリーエージェント上の決断だった。しかし、野球界で最も優れた選手の一人であるフアン・ソトについては、歴史的な7億6500万ドル(1ドル142円換算で約1086億円、以下同)の契約でニューヨーク・メッツに奪われる形となった。
その穴埋めとして、ヤンキースはポール・ゴールドシュミットとコディ・ベリンジャーを獲得した。それでも、ソトの離脱はヤンキース打線に大きなダメージを与えるだろうと考えられていた。
しかし、実際にはヤンキース打線はこれまでにない好調なスタートを切っており、一方のソトは苦戦を強いられている。
ヤンキースは現在、メジャーリーグ最多の53本塁打と.267の打率をマークしている。一方、ソトは打率.241/出塁率.368/長打率.384と、これまでの実績に照らすと不本意な成績にとどまっている。
『NJアドバンスド・メディア』のランディ・ミラー氏は、今のこの状況を「フアン・ソト後の打撃改善」と表現した。
「ソトがメッツに移籍し、15年7億6500万ドル(約1086億円)の契約に見合わない打率.241、3本塁打に終わっている中、ヤンキースは依然として『爆撃機』であり続けている」とミラーは書いた。
「ソトがいなくなって、ここまではヤンキースの打線はむしろ良くなったと言える」
野球界でも屈指の出塁率を誇る選手は失ったが、ヤンキースはスーパースラッガーのアーロン・ジャッジを中心にオースティン・ウェルズやベン・ライスといった若手選手がチームに貢献している。
「素晴らしいね」
今季のヤンキースの新たな打線について尋ねられたジャッジは、シンプルにこう答えた。
「自分たちがワールドシリーズへと返り咲く鍵は若手の成長だと思う」とジャッジはミラー氏の取材で語った。
またアーロン・ブーン監督に、この「移行期のシーズン」序盤でのチームの好調ぶりをどう捉えているか尋ねると、ブーンはこう答えた。
「攻撃面で本当に良いチームになりうる可能性はあると思っていたが、想像とは違っていた」
「この先も若手選手が台頭し、成長していくことを期待している。現在そうなっているし、ここまでも結果を見せてくれているからね」
いまなお打率4割をキープし続けるジャッジを軸に、若手の台頭で生まれ変わるヤンキース打線の快進撃がどこまで続くのか、楽しみなところだ。
関連記事:大谷翔平の最新成績&ランキングまとめ 2025年シーズン(外部配信)
原文:Yankees Aaron Judge offers 3-word response to improving without Juan Soto
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
MLB関連記事
- ドジャースを放出されたギャビン・ラックスが新天地で「高校以来」の楽しさを満喫
- エンゼルスのマイク・トラウトが走塁中に膝を痛め、試合途中で交代
- Uberドライバーからメジャーリーガーへ ヤンキースのJ.C.エスカーラがメジャー初ホーマー
- 山本由伸、佐々木朗希、今永昇太ら日本人投手の次回登板予想
- Apple TV+で毎週MLB中継 大谷翔平の試合配信も予定される『フライデーナイトベースボール』とは?
本サイトに掲載されているリンクから商品の購入やサービスの契約をされた場合、本サイトが収益を得ることがあります。