2025年の第9回世界フィギュアスケート国別対抗戦は、東京・千駄ヶ谷の東京体育館で4月19日に第3日の競技があり、ペアと女子のフリースケーティングが行われた。日本はペアフリーでは三浦璃来、木原龍一組が1位となったが、女子フリーでは坂本花織が3位、千葉百音が5位に終わった。3日間の合計得点110点で、銀メダルとなった。
「りくりゅう」三浦、木原ペアはフリーでも自己ベストの1位
第3日の4月19日、女子フリーの前に行われた、ペアのフリーでは、日本の「りくりゅう」こと三浦璃来、木原龍一組が、145.06でトップとなり、日本チームは1位の順位点12を獲得した。
「りくりゅう」ペアはショートプログラム(SP)に続いて、自己ベストを更新した。これまでのフリー最高得点は2023年世界選手権で記録した144.35だった。
坂本、千葉はジャンプでミス、米国に届かず
最後の種目となった女子フリーでは、米国勢の強さが際立った。SPでは失敗演技だった、アンバー・グレンが、今季の世界選手権、国別対抗を通じて初めてトリプルアクセルを着氷。これで弾みをつけて次々にジャンプを決めて、フリー自己ベストとなる148.93をたたき出した。
暫定1位のグレンを超えたのがアリサ・リウ。7本中6本のジャンプが出来栄え点1点以上の加算という質の高い演技で、フリー自己ベストの150.97を出し、SPに続いてフリーでも1位となった。
リウが1位で順位点12点、グレンが2位で11点を米国が獲得した。
追う日本勢は、千葉百音が中盤のジャンプで転倒するなど138.52で5位(8点)。前世界女王の坂本花織も、連戦の疲れからか、得意のジャンプで加点が付かず、145.00で3位(10点)に終わった。自己ベストの141.39を出したアナスタシア・グバノワ(ジョージア)が4位(9点)となった。
◇ ◇
全種目を終えて、米国が126点で金メダル。日本が110点で銀メダル。来年のミラノ・コルティナ冬季五輪開催国のイタリアが86点で銅メダルとなった。
1位:米国 126点
2位:日本 110点
3位:イタリア 86点
4位:フランス 78点
5位:カナダ 72点
6位:ジョージア68点
女子フリー競技経過・ハイライト:「世界女王」リウ、「全米女王」グレンで米国がワンツーフィニッシュ
※内容は逆時系列。時刻は日本時間表記。得点は速報値。
<現在の演技者>
21:46 12番滑走 アリサ・リウ(米国)
ゴージャスなゴールドの衣装で登場した19歳の新世界女王。13歳で全米選手権を制し、16歳で五輪に出場、直後に引退。2年でカムバックし、坂本の4連覇を止めた。フリーの楽曲は「マッカーサーパーク」。
冒頭の3Fから3L+3T、3Sなどすべてのジャンプを決めていく。出来栄え点も高い。フィニッシュの後は、笑顔で氷に横たわった。そして引き上げながら火照りを抑えるように、リンクの氷をすくって、両ほほに押し当てた。
得点は150.97(技術点78.70、演技構成点72.27)。パーソナルベストを更新し、堂々の1位。順位点12を獲得した。
リウのジャンプは、3F、3L+3T、3S、3Lo、3L+2A+2T、3F+2Tと7本中6本で出来栄え点が1点以上加点されていた。
21:38 11番滑走 坂本花織(日本)
フリーの楽曲は「シカゴ」。ダブルアクセルは飛んだが2本目のジャンプでミス。その後も、大きなミスではないが、坂本の持ち味、出来栄え点が付かない。技術点は速報値で73点台。最後は燃え尽きたかのように膝をついた。坂本の2024~25年シーズンが終わった。
21:30 10番滑走 アナスタシア・グバノワ(ジョージア)
フリーの楽曲は「バルダー」「フレイヤ」。世界選手権ではSPで失敗演技でフリーに進めなかった。今回はSPでシーズンベスト。世界選手権の分も思いを込めてフリーを演技した。
141.39(技術点73.68、演技構成点67.71)は自己ベストを大きく更新した。
21:23 9番滑走 千葉百音(日本)
フリーの楽曲は「アリアナ協奏曲第1番」。
3F3T、3Sを成功。しかし3Lはミス。2A着氷したが、3L2Aのコンビネーションでもミス。
得点は138.52(技術点72.08、演技構成点67.44、減点1.00)
21:14 8番滑走 ララ・ナキ・ガットマン(イタリア)
フリーの楽曲は坂本龍一の「シェルタリング・スカイ」など。
ジャンプはすべて着氷。良い演技でフィニッシュした。得点は133.13(技術点67.83、演技構成点65.30)。パーソナルベストを更新する。
21:08 7番滑走 マデリン・シザース(カナダ)
フリーの楽曲はバイオリン協奏曲「梁山伯と祝英台」。冒頭のコンビネーションジャンプは失敗したが、その後はすべて着氷した。
得点は124.57(技術点63.26、演技構成点61.31)。
21:03 日本からは坂本花織、千葉百音が第2グループで演技する。千葉は9番滑走、坂本は11番滑走で登場する。
21:02
女子フリーの第1グループ6人の6分間練習が始まった。
△第2グループの演技開始△
第1グループの演技が終了。
20:50 6番滑走 アンバー・グレン(米国)
フリーの楽曲はオーディオマシン「アイ・ウィル・ファインド・ユー・ザ・リターン 」。25歳のジャンパー。全米選手権2連覇、2024年GPファイナル優勝の「米国の女王」。冒頭のトリプルアクセルを見事に着氷。次の3F3Tも着氷。次々にジャンプを決める。持ち前のアスリート能力で見事なパフォーマンスを発揮した
得点は148.93(技術点80.95、演技構成点67.98)。歓喜するグレン。フリーのパーソナルベストを更新した。
20:44 5番滑走 ロリーン・シルド(フランス)
フリーの楽曲は「クワイエット・ムーン」「ライオンウーマン」など4曲。
得点は117.78(技術点61.64、演技構成点56.14)
20:36 4番滑走 アンナ・ぺッツェッタ(イタリア)
フリーの楽曲は映画「アバター」サウンドトラックから2曲。
得点は98.41(技術点45.11、演技構成点55.30、減点2.00)
20:27 3番滑走 サラ モード・デュピュイ(カナダ)
フリーの楽曲はアルマン・アマールのメドレー。
得点は99.07(技術点46.40、演技構成点53.67、減点1.00)
20:18 2番滑走 レア・セルナ(フランス)
フリーの楽曲は「エクソジェネシス」 シンフォニー・パート2など2曲。
得点は106.65(技術点51.25、演技構成点55.40)
20:10 1番滑走 アリーナ・ウルシャゼ(ジョージア)
フリーの楽曲はABBAの「S.O.S.」「マンマミーア」。21歳。
得点は90.19(技術点40.90、演技構成点49.29)
20:03 女子フリーの第1グループ6人の6分間練習が始まった。
△第1グループの演技開始△
女子フリー競技開始前
女子フリーの開始は20時を予定している。日本からは坂本花織、千葉百音が第2グループで出場する。千葉は9番滑走、坂本は11番滑走で登場する。
米国のペアは5位で8点を獲得したため、米国と日本の差は11点となった。
日本チームの顔ぶれは次の通り。
- 男子:鍵⼭優真、佐藤駿
- 女子:坂本花織、千葉百音
- ペア:三浦璃来/木原龍一
- アイスダンス:吉田唄菜/森田真沙也
第2日を終えて、国別順位は以下の通り。
- 1位 米国:95点
- 2位 日本:80点
- 3位 イタリア:66点
- 4位 フランス:62点
- 5位 カナダ:54点
- 6位 ジョージア:48点
フィギュアスケート国別対抗戦はどんな大会?
世界フィギュアスケート国別対抗戦は、国際スケート連盟(ISU)が主催する。男女シングル各2人、ペア、アイスダンス各1組の8選手で出場国ごとにチームを構成し、団体順位を競う。世界選手権とは異なり、2年に1度の開催となっている。
各国とも、男子・女子のシングルは2選手ずつ4選手が、ペアは1組が、ショートプログラム(SP)とフリースケーティングに出場する。アイスダンスは1組がリズムダンスとフリーダンスに出場する。各種目で出たスコアがそのまま反映されるのではなく、1位を12点とし順位が下がるごとに1点づつ減っていく順位点の合計で最終的な順位が決まる。
得点発表は、通常のキスアンドクライではなく、選手全員が集った各国チームブースで知ることになるため、鳴り物やかぶり物などの応援グッズも持ち込まれ、独特のお祭り騒ぎの中で競技が進む。
※以下、試合前時点の情報。
<試合日程>
- 4月17日(木)~4月20日(日)
<試合会場>
- 東京・千駄ヶ谷の東京体育館
<放送・配信予定>
- テレビ朝日系列(地上波)
- 「TELASA(テラサ)」でインターネットによるライブ配信
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