大ネタ、小ネタ、ネタならなんでもござれ、デコピンならなお結構。大谷翔平のシーズンが始まった。大きな関心事は「二刀流復活」。それよりも三冠王の期待が膨らむ。
オープン戦の最初の打席(2月28日)でいきなり左翼ホームランを放ったシーンは、昨年以上の活躍を望めるものだった。相手投手はエンゼルスの菊池雄星。花巻東高の先輩である。
通算868本塁打の王貞治がテレビ出演したときに、こう評した。「フォロースルーが大きいから打球が遠くへ飛ぶんですね」と。“世界の王”からのお墨付きなのだが、その通りの2025年初アーチだった。
昨年の成績は54本塁打、130打点で両タイトルを獲得。加えて打率3割1分に盗塁59と、打ちまくり走りまくった。「手に負えない」と各チームがお手上げ状態だった。
日本では本塁打と盗塁の50-50が特に注目されたが、米国では塁打411、得点134(ともにリーグ最多)も打者として最高の評価をされている。とりわけ塁打400以上は最高スラッガーの証である。
今が全盛期といえる成績といっていい。今シーズンは昨季の数字を上回ることをファンは望む。となれば打率、本塁打、打点のタイトル独占の三冠王となる。三冠のポイントは打率。本塁打と打点は積み重ねだから減ることはないのだが、難関は打率。安打が出なければ下がる。安定、確実を求められる部門である。
それも昨年クリアしている。大谷は日ごろ、記録に関しては平静を保っているけれども、三冠王という最高の栄誉を狙える時と思っていると想像する。大リーガーの中で三冠王の最短距離にいるといっていい。30歳の年齢を考えると、そのチャンスはそう多くはやってこないだろうから、ぜひとも達成を、と。
投手としての魅力はだれもが持って感じている。けれども現状を見ると、投手カムバックはまだ時間がかかるだろう。3月に入って投球練習に間があるのは、投げられる肩を作るのが容易ではないということ、と見る。
冷静に判断すると、ドジャースにとって投手大谷は急を要する事態ではないことが分かる。昨年のワールドチャンピオンでさらなる補強もしている。その補強で大きいのは佐々木朗希の存在。オープン戦のテストで「投げられる」ことを首脳陣が確認すれば、大谷に無理にマウンドに立たせる必要はなくなる。
ドジャースは打者大谷に全幅の信頼を寄せている。大谷が投手復活となればシーズン中でもファームでテスト登板することになる。戦力に余裕のあるチームだから本格カムバックは来シーズンとなるだろう。
むしろ「守備の大谷」を見てみたい。肩の調整具合がそれで分かるだろうし、俊足・強肩の外野手大谷を。打と守。“新二刀流”である。
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