なぜウォリアーズはトレードするべきか:ジョナサン・クミンガを手放すタイミング?

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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ゴールデンステイト・ウォリアーズにおけるジョナサン・クミンガの役割は、常に少し混乱している。

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昨季、クミンガはスティーブ・カー・ヘッドコーチへの「信頼を失った」と認めた。それが両者の話し合いにつながり、NBAドラフト2021で全体7位指名されたクミンガは出場時間が増え、シーズン後半戦でブレイクした。

1月初旬に行われたその話し合い以降、1試合平均20得点近くを記録したにもかかわらず、ウォリアーズとクミンガは延長契約の締結に至らなかった。今は見通しがより不透明だ。2024-2025シーズン開幕から1か月が経ち、クミンガの出場時間が減っている中で、ウォリアーズはウェスタン・カンファレンスの首位に立っている。

クミンガは開幕からわずか4試合で先発の座を失った。ここ3試合は出場時間が平均20分間に達していない。アンドリュー・ウィギンズとドレイモンド・グリーンの再浮上でクミンガは外れている。

才能は確かだ。リーグでの4年でクミンガはそれを示してきた。だが、カーHCは自分のシステムに彼が合うとの自信を持っていないようだ。丸い穴に四角い釘をあてはめようとし続けるより、トレードで放出するタイミングかもしれない。

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なぜウォリアーズはジョナサン・クミンガをトレードすべきか

カリー・ボールに合わないクミンガ

ウォリアーズの攻撃は今でも36歳のステフィン・カリーを中心に回っている。そのカリーがベストのパフォーマンスを発揮するためにどんなタイプの選手が必要か、ウォリアーズはしっかりと把握しており、クミンガは当てはまらない。

カリーの脅威を最大限に活用するために、ウォリアーズはパスセンスに優れたスクリナーを必要とする。それらはクミンガの得意とするところではないのだ。

また、クミンガにはカリーと一緒にプレイするだけのスペーシングの力もない。3ポイントショット成功率は通算で33.9%、今季は31.9%とさらに下回っている。

攻撃が悪い選手というわけではない。むしろ、スキルを持つドライバーであり、突破の際に勢いがあれば止めることが不可能な選手だ。ただそのスタイルが、チームのほかのメンバーがカリーとやっていることとうまくかみ合わないのである。

クミンガにとって、あるいはチームにとって、うまくフィットしていないということだ。クミンガは別のチームにいるほうが、はるかに良くなるかもしれない。

ウォリアーズの新システムに合うディフェンダーではないクミンガ

今季のウォリアーズは驚くほど守備を生き返らせている。22日(同23日)のニューオーリンズ・ペリカンズ戦を前に、守備はリーグ4位の数字だ。この守備面の再生は、新たなアシスタントコーチであるジェリー・スタックハウスの下でよりアグレッシブなスキームとなったことの結果である。

ボールに対して2人がつく頻度を高めるという、よりリスキーな守備をする中では、ヘルプローテーションでミスを犯す余地がない。これは、まだ高いレベルでゲームを読めていないクミンガにとって大きな問題だ。

クミンガはポジションから外れてしまっていることや、いるべきところに気づくのが遅すぎることが少なくない。

フットワークもあまり優れておらず、ペリメーターでやられることがあまりに多い。

それでも、クミンガには守備で素晴らしい武器もある。6フィート11インチ(約211センチ)のウィングスパンを持つ優れたアスリートなのだ。より保守的なスキームや、主にパワーフォワードで固定されるより複数のポジションでプレイする融通がきくチームなら、もっとうまくやれるだろう。

いまだトレード価値が高いクミンガ

ウォリアーズでスターではないかもしれないが、ほかのチームならクミンガはそういう選手になれるかもしれない。そしてトレードになる可能性もある。『The Athletics』のサム・エイミック記者によると、「ウォリアーズはこれまで以上にクミンガを大規模なトレードに組み込みたいと望んでいるというのがライバルチームのエグゼクティブたちの考え」という。

ウォリアーズが良いプレイをしていることを考えれば、クミンガをトレードするなら、その時に誰を手に入れるべきか賢明に選ぶべきなのは当然だ。前十字じん帯の負傷でシーズン終了となったディアンソニー・メルトンを組み合わせれば、トロント・ラプターズのヤコブ・パートルや、シカゴ・ブルズのニコラ・ブーチェビッチのような、2000万ドル(約31億円/1ドル=155円換算)級の選手を獲得できるかもしれない。

ジミー・バトラーのような、さらなるビッグネームをウォリアーズが狙う可能性もある。だが、それだけの取引を実現させるには、金銭面でウィギンズとその他複数のベテランが必要になる。将来のドラフト指名権も投じる必要があるだろう。

ウォリアーズには選択肢がある。だが、トレードデッドライン(トレード期限)までに動かなければならない。カーHCがクミンガの出場時間を減らし続けるなら、選手の価値は下がり続ける。そして今のウォリアーズは、これ以上彼のことを待つにはあまりに良いチームだ。

原文:Warriors need to trade Jonathan Kuminga: Why it's time for Golden State to move forward in win-now deal(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。