大谷翔平3度目のMVPなるか? MLB主要各賞受賞者&ファイナリストまとめ

Dan Treacy

石山修二 Shuji Ishiyama

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今オフのFA史上最大の目玉、フアン・ソト(ニューヨーク・ヤンキース)が獲得競争を繰り広げる各チームとのミーティングを開始し、12月初旬のウィンター・ミーティングへ向けて、ストーブリーグも徐々に熱を帯びはじめている。

だがその前に、2024年シーズンを締めくくらなくてはいけない。

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BBWAA(全米野球記者協会)の投票によって、2024年シーズンを素晴らしい成績で終えた選手、監督たちが選ばれ、日本時間11月19日からはその中のベストが連日発表・表彰されていく。

選出されたメンバーには、おなじみの顔ぶれも多く含まれている。例えば、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は2度目、大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)は3度目のMVPのトロフィーをコレクションに加えようとしている。一方、クリス・セール(アトランタ・ブレーブス)とザック・ウィーラー(フィラデルフィア・フィリーズ)はまだサイ・ヤング賞を手にしたことはないが、これまで何度も候補にあがってきた投手たちだ。

注目は、記録的なシーズンを送ったポール・スキーンズ(ピッツバーグ・パイレーツ)が最右翼と目されるナ・リーグの新人王だ。ジャクソン・メリル(サンディエゴ・パドレス)も好調にシーズンを終えており、どちらに軍配があがっても不思議はない。

各賞の発表スケジュールは以下の通りとなっている。

  • ア・リーグ/ナ・リーグ 最優秀新人賞/日本時間11月19日(火)午前8時、MLBネットワークにて発表
  • ア・リーグ/ナ・リーグ 最優秀監督賞/日本時間11月20日(水)午前8時、MLBネットワークにて発表
  • ア・リーグ/ナ・リーグ サイ・ヤング賞/日本時間11月21日(木)午前8時、MLBネットワークにて発表
  • ア・リーグ/ナ・リーグ 最優秀選手賞/日本時間11月22日(金)午前8時、MLBネットワークにて発表

そして、各賞のファイナリストは以下の選手たちだ。

ナショナル・リーグ 最優秀選手賞(MVP)

受賞者

日本時間11月22日(金)に発表

ファイナリスト

フランシスコ・リンドーア(メッツ): リンドーアはこれまで5回にわたってMVP投票のトップ10入りを果たしているが、ファイナリストに選ばれたのは今回が初となる。今季は序盤こそ出遅れたものの、最終的には152試合に出場して打率.273、33本塁打、OPS.844、bWAR7.0という成績を残し、メッツのプレーオフ進出の立役者となった。とりわけ後半戦のリンドーアは強烈な打撃と強靭な守備でMVPレースで猛追を見せた。

ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス):今年31歳のマルテは今季26試合に欠場したが、フィールドに立っていた出場した試合では素晴らしい活躍を見せた。打率.292、36本塁打、OPS.932を記録し、95打点とOPS+155はキャリアハイの数字となった。マルテは2019年のMVP投票では4位、ファイナリストとなったのは今回が初となる。

大谷翔平(ドジャース ):今季の大谷はDHでしかプレーできないため、ナ・リーグのMVPレースはより拮抗したものになるかと思われたが、7億ドルの男はドジャース1年目からあらゆる予想を上回る活躍を見せた。打率.310、54本塁打、130打点、OPS1.036に加え、OPS+でもキャリアハイの190を記録し、いずれもナ・リーグのトップの数字を残した。また、59盗塁をマークし、前人未到MLB史上初の50-50シーズンを達成した。さらに、自身初のワールドシリーズ制覇を果たしている。大谷がMVPを受賞すれば通算3度目、ナ・リーグでは初受賞となる。 

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アメリカン・リーグ 最優秀選手賞(MVP)

受賞者

日本時間11月22日(金)に発表

ファイナリスト

アーロン・ジャッジ(ヤンキース): ポストシーズンを別にすれば、2024年のジャッジは無敵の存在だった。2022年にもア・リーグのMVPを受賞しているジャッジは今季、打率.322、58本塁打、144打点、OPS1.159を記録し、後者の3つのカテゴリーでMLBトップとなった。また、キャリアハイの10.8 bWARを記録し、223 OPS+は2004年以降フルシーズンをプレーした選手の中で歴代最高の数字となった。ジャッジにとっては3度目のファイナリスト選出であり、受賞すれば2度目のMVPとなる。

フアン・ソト(ヤンキース):ソトは、ニューヨークでの最初の(そして、おそらく唯一の)シーズンにおいて、ヤンキースが期待した通りの活躍を見せた。4度のオールスター選出を誇るソトは、打率.288、自己最高の41本塁打、OPS.989を記録し、欠場は5試合のみ、自己最多の166安打をマークした。このオフ、フリーエージェントとなる26歳のソトにとっては、すべての要素が有利に働くと思われる。

ボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ):ウィットは、メジャー3年目にしてスーパースターへと変貌を遂げた。.リーグをトップの211安打、打率.332の打撃は、ロイヤルズのポストシーズン出場というサプライズの原動力となった。弱冠24歳で、32本塁打、109打点、.977 OPSを記録したウィットは今季のMLBで最も印象的な選手の一人となり、初めてMVPファイナリストとなった。

ナショナル・リーグ サイ・ヤング賞

受賞者

クリス・セール(アトランタ・ブレーブス)

選手クリス・セールザック・ウィーラーポール・スキーンズディラン・シース
1位票26400
2位票42510
3位票00136
合計1981305345

ファイナリスト

クリス・セール(ブレーブス): ボストンで故障続きのシーズンを送っていたセールに賭けたブレーブスは、見事に報われることになった。セールは18勝3敗、防御率2.38、FIP2.09、奪三振率11.4という素晴らしい成績を残し、有資格者の中でもトップの成績を残した。今季225奪三振をマークし、キャリア通算2,500奪三振まであと86個となっている。 2012年から2018年にかけて7年連続でサイ・ヤング賞投票のトップ6に選出され、今回が2度目のファイナリスト選出となった。

ポール・スキーンズ(パイレーツ): スキーンズはメジャー1年目で23試合(133イニング)に登板し、防御率1.96、WHIP0.95という驚異的な成績を収めた。2023年のドラフト1位指名選手は、170人の打者を三振に打ち取り、奪三振率11.5を記録し、被本塁打はわずかに10本しかなかった。今回の投票では受賞は厳しいかもしれないが、ルーキーとして最終候補に残っただけでも稀有な存在と言える。

ザック・ウィーラー(フィリーズ):ウィーラーは、2024年には力強い復活を遂げ、初のサイ・ヤング賞受賞に向け、ファイナリスト選出を果たした。フィリーズのエースは、200イニングを投げて16勝7敗、防御率2.57の成績を収め、WHIPでは0.96とナ・リーグの有資格投手の中でトップに立ったほか、224奪三振を記録した。2021年には惜しくも次点に終わったが、今回晴れて再び有力候補の一人となった。

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アメリカン・リーグ サイ・ヤング賞

受賞者

タリック・スクーバル(デトロイト・タイガース)

選手タリック・スクーバルセス・ルーゴエマヌエル・クラセコール・ラガンズ
1位票30000
2位票01493
3位票0976
合計210936648

ファイナリスト

エマヌエル・クラセ(ガーディアンズ): クラセは救援投手としては2008年以来のサイ・ヤング賞ファイナリストとなったが、その評価は正当なものと言えるだろう。 74試合に登板して47セーブをマークし、防御率は0.61、WHIP0.66という驚異的な成績を残している。また、レギュラーシーズンで許した本塁打は2本塁打、与四球はわずか10個だった。ストッパーとして、MLB史上に残る圧倒的なシーズンだったと言える。

セス・ルーゴ(ロイヤルズ):2年前には先発投手ですらなかったルーゴだが、パドレスは2023年に彼を先発投手に転向させるという賭けに出た。そして、ロイヤルズもまた昨オフ、そのルーゴに複数年契約を提示して彼に賭ると、ルーゴはその期待に応えてみせた。今季33試合(206.2イニング)に登板して防御率3.00、自己最多の181奪三振をマークし、ロイヤルズのポストシーズン進出に貢献した。

タリック・スクーバル(タイガース):スクーバルは、2023年終盤の好成績で高まった期待を裏切ることなく、シーズンを通じてサイ・ヤング賞の有力候補として活躍し続けた。今季は31試合に先発し、18勝4敗、防御率2.39、228奪三振という好成績を収め、FIP2.50、WHIP0.92はいずれもア・リーグのトップだった。そのピッチングは、タイガースのポストシーズン出場というサプライズ実現の原動力となった。

ナショナル・リーグ 最優秀新人賞

受賞者

ポール・スキーンズ(ピッツバーグ・パイレーツ)

選手ポール・スキーンズジャクソン・メリルジャクソン・チョーリオ今永昇太
1位票23700
2位票72300
3位票00264
合計136104264

ファイナリスト

ジャクソン・チョーリオ(ブルワーズ): MLB最年少のチョーリオは、最初の2ヶ月こそ目立たない時期を過ごしていたが、その後はナ・リーグで最も安定した打者の一人へと変貌を遂げた。そのスロースタート(と他の有力候補の活躍ぶり)が受賞を妨げる可能性はあるものの、20歳という若さで打率.275、21本塁打、OPS.791、3.8 bWARを記録したチョーリオは、この先数年にわたってブルワーズを代表する選手となる力を証明した。

ジャクソン・メリル(パドレス):強力なライバルがいないア・リーグであれば、メリルは文句なしの新人王だろう。それでも、受賞するしないにかかわらず、メリルのルーキーシーズンは圧巻だった。21歳の彼はシーズンが進むに連れて成長し、打率.292、24本塁打、16盗塁、OPS.826の成績を残した。重要な場面で何度もヒットを放ったメリルは、今後何年にもわたってナ・リーグのオールスターの常連選手となっていくだろう。

ポール・スキーンズ(パイレーツ):スキーンズはメジャー1年目で23試合(133イニング)に登板し、防御率1.96、WHIP0.95という驚異的な成績を収めた。2023年のドラフト全体1位指名選手は、170人の打者を三振に打ち取って奪三振率11.5をマークし、被本塁打は10本しか許さなかった。1年目からサイ・ヤング賞の最終候補に残ったスキーンズは、ナ・リーグの才能あるルーキーたちの中でも新人王に輝くにふさわしい活躍を見せたと言える。

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アメリカン・リーグ 最優秀新人賞

受賞者

ルイス・ギル(ニューヨーク・ヤンキース)

選手ルイス・ギルコルトン・カウザーオースティン・ウェルズメイソン・ミラーケイド・スミス
1位票1513011
2位票1011321
3位票13854
合計106101171612

ファイナリスト

コルトン・カウザー(オリオールズ):1年目はその安定感に課題を感じさせたものの、カウザーのパワーと守備力は本物と言える。2021年ドラフト全体5位で指名されたカウザーは、オリオールズでレギュラーの座を勝ち取り、打率.242、24本塁打、OPS.768、3.1 bWARという成績を残した。

ルイス・ギル(ヤンキース):ギルは、ヤンキースにとって予期せぬ救世主となった。ゲリット・コールがシーズン最初の10週間を欠場した間、ギルは素晴らしい前半戦を過ごした。後半戦は背中の負傷による短期間の故障者リスト入りもあり、前半ほどの活躍はできなかったものの、最終的に先発29試合で防御率3.50、171奪三振、9イニングあたり被安打6.2安打という見事な成績を残した。

オースティン・ウェルズ(ヤンキース): ウェルズのバッティングは後半早々に火がついたものの、9月には深刻なスランプに陥ってしまったため、最優秀新人賞の受賞は絶望的と言える。2020年ドラフト1巡目指名選手は115試合の出場で打率.229、13本塁打に終わったが、高い出塁率と捕手としての能力の高さを評価され、WARでは依然としてアメリカン・リーグの新人の中でトップクラスにランクインしている。

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ナショナル・リーグ 最優秀監督賞

受賞者

パット・マーフィー(ミルウォーキー・ブルワーズ)

監督パット・マーフィーマイク・シールドカルロス・メンドーサトーリ・ロブロロブ・トムソン
1位票271101
2位票319620
3位票081220
合計144703585

ファイナリスト

カルロス・メンドーサ(メッツ): 監督1年目のメンドーサは、散々なスタートを切ったチームをまとめあげ、チームの士気を保った。千賀が1試合しか登板できないといった計算外もありながら、最終的に89勝73敗の成績でナ・リーグのリーグ優勝決定戦まで駒を進めて見せた。

パット・マーフィー(ブルワーズ):2024年のブルワーズは、コービン・バーンズをトレードに出し、ブランドン・ウッドラフ、デビン・ウィリアムズ、クリスチャン・イエリッチが長期離脱を余儀なくされた時期もありながら、予想を覆して93勝69敗でナ・リーグ中地区のタイトルを獲得した。監督1年目のパット・マーフィーは、メジャーの監督としてフルタイムの仕事を任されるまでに長い時間を要したが、クレイグ・カウンセル退任のチャンスを最大限に活かし、年間最優秀監督候補の筆頭に挙げられている。

マイク・シールド(パドレス): 時間はかかったものの、シールドはボブ・メルヴィン監督の下で波乱の2023年シーズンを過ごしたパドレスのクラブハウスを再びひとつにまとめ上げた。サンディエゴは強烈な個性の寄せ集めではなくひとつのチームとなり、その結果、パドレスは後半戦に圧倒的な強さを見せ、シーズン序盤の期待値を大きく上回って93勝39敗、貯金24という好成績をマークした。

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アメリカン・リーグ 最優秀監督賞

受賞者

スティーブン・ボート(ワシントン・ガーディアンズ)

監督スティーブン・ボートマット・クアトラーロA.J.ヒンチジョー・エスパーダ
1位票27210
2位票21961
3位票16183
合計14273416

ファイナリスト

A.J.ヒンチ(タイガース):8月第2週までのヒンチは何もできないように見えたが、トレードデッドラインを目前に迎え、主力を放出するでのはと思われたところからタイガースは突如プレーオフチームへと変貌を遂げた。後半戦のタイガースはほぼ無敵の状態となり、ブルペン管理の優秀さもあって、終わってみれば86勝76敗でシーズンを終えた。ヒンチが指揮を執る中、タイガースは2014年以来初めてポストシーズンに進出した。

マット・クアトラーロ(ロイヤルズ):1年で勝ち星を30勝改善すれば、年間最優秀監督賞の最終候補に残るのには十分な実績だ。カンザスシティのフロント・オフィスも称賛に値するが、クアトラーロは、1年目を56勝106敗で終えたチームに逆境を跳ね返すことができると信じさせる素晴らしい仕事をしてみせた。結果、今季のロイヤルズは86勝78敗で、10年ぶりのプレーオフ出場を勝ち取った。

スティーブン・ボート(ガーディアンズ):2024年のガーディアンズ躍進への道筋はシンプルだった。打撃陣を少し改善して、あとは強力な先発ローテーションに任せるだけだ。しかし、クリーブランドのローテーションは、タナー・ビビー以外の投手の故障や不調によって序盤で崩壊した。それでもガーディアンズは前半戦を92勝という圧倒的な成績で終え、アメリカン・リーグ・セントラル・ディビジョンで優勝し、ア・リーグのリーグ優勝決定シリーズ進出を果たした。これは、わずか2年前に選手を引退したばかり、監督1年目のボートの手腕によるものと言えるだろう。

注)

WAR(Wins Above Replacement):同じポジションの代替レベルの選手(マイナーリーグの控え選手やすぐに獲得できるフリーエージェントなど)と比較して、その選手がどれだけ多くの勝利をもたらすか、その貢献度で選手の価値を総合的に示すスタッツ。

OPS+(On-base Plus Slugging Plus):OPS+は、選手の出塁率+長打率(OPS)をリーグ全体で標準化した指標で、100がリーグ平均、150がリーグ平均より50%上回るスコアとなるよう調整したもの。OPSでは考慮されない球場や高度といった外部要因が含まれることで、比較しやすいスタッツとなる。

FIP(Fielding Independent Pitching):FIPは防御率と似たスタッツで、守備を関与させない、投手がコントロールできる奪三振、与四死球、被本塁打にのみ焦点を当てたスタッツ。フィールドに飛んだ結果は完全に除外される。

WHIP(Walks And Hits Per Inning Pitched):投手の成績を評価する際に最も一般的に使用されるスタッツのひとつ。投手が走者を出塁させなかった度合いを示すもので、与四球と被安打の合計を投球回で割って計算される。

原文:MLB awards 2024: Full list of finalists, winners for MVP, Rookie of the Year, Cy Young and more
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部) 

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Dan Treacy is a content producer for Sporting News, joining in 2022 after graduating from Boston University. He founded @allsportsnews on Instagram in 2012 and has written for Lineups and Yardbarker.

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スポーティングニュース日本版アシスタントエディター