5月4日、中央競馬の春の盾、第171回天皇賞(春)(G1)が開催される。
ここでは、昨今話題のAIチャットボットサービスを用いて今年の春の天皇賞の1着馬、2着馬、3着馬の予想を出力。先週の皐月賞ではどのチャットボットも1着ミュージアムマイルの名前を挙げることができず。しかし予想に必要となる出走馬の成績や過去データが世代戦より豊富な古馬G1の天皇賞となると、学習できるデータ量も多くなるためAIにとっては追い風なはず。最新技術の巻き返しに期待したい!
AIに質問した内容
今回も皐月賞に引き続き、Open AI社のChat GPT、X社のGrok(グロック)、Google社のGemini(ジェミニ)を用いて天皇賞(春)を予想。それぞれチャットボットには出走馬と枠順、各馬の血統、生産者、通算成績、これまでの主な戦績、鞍上、調教師の情報を与えた上で、天皇賞(春)の1着から3着までを理由を述べるとともにオリジナルな予想するよう質問した。
Chat GPTの予想
先週使用したAIチャットボットの中では唯一マスカレードボールを3着以内に指名したChat GPTの予想はこちら。
- 1着:サンライズアース
- 2着:ヘデントール
- 3着:ブローザホーン
Chat GPTが挙げた予想の軸となる評価ポイントは長距離実績、近走実績、血統背景、騎手・調教師コンビの4点。その上で1着にはサンライズアースを指名した。前哨戦の阪神大賞典は後続に6馬身差をつける圧勝。若さゆえの伸び代があり、血統としても父レイデオロ(芝2,400メートルの日本ダービーを勝利)、母父マンハッタンカフェ(芝2,500メートル以上のG1を3勝)という組み合わせで長距離への適性は高いと評価したようだ。
2着には昨年の菊花賞で2着のヘデントールを予想。芝3,400メートルの長丁場のダイヤモンドSでは好位からの競馬で後続を突き放した。今回春の天皇賞が行われるCコースへの適性を評価しており、戦績を見るとたしかに東京や新潟、京都外回りなど、広いコースで良績を残している。鞍上は長距離重賞で好成績のレーン、管理する調教師も中長距離での活躍馬を多数手掛ける木村哲也と、こちらも死角がない模様。
3着には昨年の宝塚記念覇者のブローザホーンを挙げた。安定した末脚を使う馬で、今回は3番手に予想したものの展開次第ではより上位の可能性もあると高評価。父エピファネイアは菊花賞の勝ち馬で、その産駒にも京都外回りコースの重賞ウィナーやG1好走馬がいる。実際、ブローザホーンは京都外回りコースを6戦使って3勝、2着1回と実績を残している。
Grokの予想
先週は振るわずのGrok。好指名を期待したい今週の予想はこちら。
- 1着:サンライズアース
- 2着:ヘデントール
- 3着:ブローザホーン
なんとGrokの予想はChat GPTと全く同じものとなった。しかしChat GPTが挙げていなかった根拠も出力していたため、その一部を紹介したい。
サンライズアースに関して、Grokは血統構成に注目。父レイデオロはキングカメハメハの後継種牡馬で、2代父キングカメハメハは2022年の勝ち馬タイトルホルダー、2024年の勝ち馬テーオーロイヤルが該当する。特に後者は母父がマンハッタンカフェでサンライズアースと共通。1着予想の根拠として出力した。
ヘデントールも父ルーラーシップであるためキングカメハメハが2代父にあたる。こちらは母父がステイゴールドで、長距離実績を多数残す血を内包していることを評価した。
ブローザホーンについては昨年の2着と前走の阪神大賞典3着を評価。血統についてGrokは父エピファネイアが天皇賞(春)と相性が良いとしたが、過去に馬券圏内に好走したエピファネイア産駒はブローザホーン1頭しかいないことに留意したいところだ。
2023年の勝ち馬ジャスティンパレスについては近走の停滞を不安視。マイネルエンペラーとショウナンラプンタの名前も挙げたが、どちらも1〜3着予想の上回る根拠には乏しいとした。
Geminiの予想
桜花賞から2週連続の好予想とはならなかったGemini。巻き返しに期待の今週の予想はこちら。
- 1着:ジャスティンパレス
- 2着:ヘデントール
- 3着:ブローザホーン
Chat GPTとGrokが馬券圏内に予想していなかったジャスティンパレスをGeminiは1着に指名。2023年にこの天皇賞(春)を制しているという大きな実績があり、その後は勝ち切れてはいないもののG1戦線で上位争いを続けていることを評価。得意な舞台に戻っての復活に期待しているようだ。ディープインパクト産駒のこの舞台での良績も根拠として提示し、久しぶりの勝利を見込んでの1着予想とした模様だ。
2着は前述2つのチャットボットと同じくヘデントール。春の天皇賞と似た条件で行われる菊花賞での好走、距離延長となった前走ダイヤモンドSでの圧勝から馬がさらに力をつけているとし、鞍上レーンの実力も含めジャスティンパレスと僅差の2着予想となったようだ。
3着予想のブローザホーンは豊富な京都実績を評価。前哨戦では勝ち馬に差を離されたものの得意なコースに替わっての期待度は大きいとした。実際に本馬は昨年も阪神大賞典3着から本番の春の天皇賞で2着と好走している。上位2頭と比べるとインパクトにやや欠けるとの評価だが、3着までには十分好走可能という見立てとのこと。
Chat GPTとGrokが1着予想したサンライズアースを3着以内にも含めなかったGemini。補足の質問としてその理由をたずねたところ、上位予想3頭と比べ京都での実績がないことが理由となったようだ。前走の阪神大賞典を圧勝した勢いは認めつつも、ここはコース実績をより強い根拠として優先した形となった。
各AIの予想の考察
今回はChat GPTとGrokが全く同じ着順の予想になるという形に。一方でGeminiは2着と3着こそ同じ予想ではあるものの、1着は前述2つのチャットボットが挙げなかったジャスティンパレスを指名し、サンライズアースを3着以内から外すという見解を示した。
今回筆者が気になったのは3つのチャットボット全てが2着予想したヘデントール。豊富かつ説得力のある根拠が出力されており、正直1着予想となっていてもおかしくない内容のように感じた。今年の春の盾は実力が拮抗しており難解になっているだけに、AIが挙げる根拠にも注目してみたいところだ。
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