レディックHCの下で躍進が期待されるレイカーズの八村塁

Stephen Noh

大西玲央 Reo Onishi

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昨季のロサンゼルス・レイカーズにとって、八村塁は最も重要な選手のひとりだった。

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2年前のレイカーズは、八村が先発ラインナップに名を連ねたチームでウェスタン・カンファレンス・ファイナルに進出。2023-2024シーズンは先発を外されていたものの、シーズン終盤に当時のダービン・ハム・ヘッドコーチが再び八村を先発に戻す決断をしてから、レイカーズは22勝10敗という快進撃を見せた。

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今季のレイカーズに同じ問題は起こらないだろう。JJ・レディック新HCはすでに八村が先発することを明言している。選手たちにとって役割が明確になるようにするのがレディックHCの作戦だ。

役割が明確になることで、レイカーズも八村もより良いシーズンが送れるだろう。レディックの作戦は以下の通りだ。

八村塁がJJ・レディックHCの下で飛躍が期待される理由

パリ・オリンピックで八村は平均22.0得点を記録し、ファーストオプションになれることを見せてはいるが、レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスがいるチームでは序列がどうしても下がる。レディックHCもそこを変えるつもりはない。

「五輪での彼の役割はチームでの役割と異なるもの。それが現実だ」とレディックHCは説明している。その代わり「アイソレーションやポストアップといった彼のスキルを上手く使える機会を探す」ことを予定している。

レディックHCの作戦は数字にも裏付けられている。昨季の八村はポストアッププレイヤーとしてリーグでもトップクラスの活躍を見せた。NBA Statsによると、彼のポストアップからの1ポゼッション平均1.15得点は、全選手の中で83パーセンタイル(全体の中でどこに位置するかを表す計測値で、高いほど良い)に位置するのだ。

ポストアップこそ、八村の身体能力、スピード、力強さ、そして過小評価され気味なフットワークを発揮する機会なのだ。

アイソレーションプレイヤーとしては34パーセンタイルと、あまり良い効果は得られていない。しかしレディックHCは、この数字も好転させるビジョンを持っているようだ。

八村のアイソレーションは、前を向いた状態でボールをもらいドライブを仕掛けている時はとても良い。彼の速さと強さについていける選手は少なく、リム周りまで入れれば高い確率でフィニッシュができる。

アイソレーションの数字が落ちているのは、彼がミッドレンジでのプルアップジャンパーを選択することが多いからだ。彼が最も好むショットでありながらも、昨季は100本の試投で成功率はわずか42%と低かった。レディックHCはこの試投数を減らしていく予定だ。

「ミッドレンジショットや、ミッドレンジからのショットの割合など、彼のショットプロフィールがどのようなものか、我々はしっかりと認識しなければならない」とレディックHCは説明した。

「私たちが彼と話してきたこと、そしてこれからも彼と強調していくことは、勝利に高い影響力を与えることになるだろう」

3ポイントショットに関しては、ミッドレンジのプルアップと同じ成功率42%を記録している。3Pが2Pよりも1点多いことを考慮すれば、同じ確率で入る3Pを増やした方が良いのも頷けるだろう。昨季リーグ28位だったチームの3P試投数を増やすこともレディックHCの目標のひとつだ。

八村もコーチが求める変化に賛同している様子だ。先日の囲み取材では「(彼は)このリーグにいたばかりだから、このリーグで何が起きてるかをよく理解している。選手目線で僕らをコーチできる」とレディックHCを称賛した。

八村とレディックHCの関係値は、ハム元HCとの関係値よりも高そうだ。「僕がここに来てからアップダウンがとても激しかった」と八村も認めている。昨季の彼の出場時間はシーズンを通して安定していなかった。ハム元HCは八村の最大限を引き出す起用方法があまり見つけられていなかったかのようだった。それがレディックHCになって変わろうとしている。

「理解するのがとても簡単」と八村はレディックHCについて話す。

「彼が何を言っても、筋が通っているんだ」

より役割が明確になり、ポストプレイヤーとしての強みを発揮する機会を増やし、ミッドレンジからのショットを減らす。良いシーズンを送るために、八村とレディックHCは最高の作戦を用意できたようだ。

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。