2024年のプロ野球は、横浜DeNAベイスターズの26年ぶりの日本一で幕を閉じた。本記事では、これから本格的なオフシーズンへと入っていく2024年の野球界を振り返り、主なキーワードについて解説していく。
大谷翔平「50-50」達成
今年の野球界を振り返る上で、外すことができないのが大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)が達成した「50-50」(50本塁打&50盗塁)だろう。今シーズンの大谷は、昨年9月に受けた右肘手術の影響で指名打者に専念。すると開幕から順調に本塁打と盗塁の数を伸ばし、8月に史上最速での「40-40」(40本塁打&40盗塁)を達成した。
その後も勢いは止まらず、現地時間9月19日(日本時間20日)にMLB史上初となる「50-50」を達成した。大谷はその後も数字を伸ばし、最終的には54本塁打、59盗塁というとてつもない大偉業を成し遂げた。さらにドジャース移籍1年目にしてワールドシリーズを制覇するなど、記録にも記憶にも残るシーズンとなった。
ホワイトソックスはメジャー史上ワーストの「121敗」
大谷率いるドジャースがワールドシリーズを制覇した一方で、シカゴ・ホワイトソックスはメジャー史上ワーストとなる121敗を記録した。開幕4連敗でスタートしたホワイトソックスは、その後もなかなか勝ち星を積み上げることができず、3度の二桁連敗を記録。7月から8月にかけてはア・リーグワーストタイ記録となる21連敗を喫した。
8月にはペドロ・グリフォル監督が解任され、グレイディー・サイズモア氏が暫定監督として指揮を執ったもののチームの低迷は止まらず、9月27日(同28日)のデトロイト・タイガース戦で121敗目を記録。リーグ記録を62年ぶりに更新した。最終的に41勝121敗、勝率.253で同地区4位のミネソタ・ツインズと41ゲーム差という記録的低迷のシーズンとなった。
大社高校が甲子園ベスト8進出
今年の高校野球で旋風を巻き起こしたのが、島根県の大社(たいしゃ)高だ。同校は1898年に簸川郡立島根県簸川尋常中として創設され、1915年(大正4年)の第1回大会から出場を続ける伝統校。
1992年夏以来の出場となった今夏の甲子園では、エースの馬庭優太を中心にベスト8に進出した。特に3回戦の早稲田実業戦では、9回裏に1点差を追いつき、延長11回に馬庭自らサヨナラ打を放つ死闘を繰り広げ、涙を流した姿が感動を呼んだ。同校107年ぶりの夏2勝、初の甲子園3勝を挙げ、夏の主役となった。
稀に見る「投高打低」
近年、プロ野球では「投高打低」が叫ばれているが、2024年はそれが顕著なシーズンとなった。総本塁打975本は過去5年で最低、2023年の1250本から約300本も減っている。1試合当たりの本塁打数1.14本も同様に最低の数字だ。
得点数で見ても、総得点5639点、平均6.57点(1試合あたりの両軍合計得点)も同最低。本塁打数、得点数ともにこの5年間で下がり続けており、2023年から2024年での下がり幅が特に目立つ。
コロナ禍で120試合の短縮シーズンだった2020年と比べても、本塁打数・得点数とも下回っているのだから、どれだけ本塁打が出ない&得点が入らないシーズンだったのかが分かるだろう。10年前の2014年と比べても、大きく下回っている。
理由としては、投手の球速の高速化に打者の対応が遅れていることなどが挙げられる。真偽は不明だが、複数の打者が「明らかに飛ばない」と証言していることから「飛ばないボール」の影響もあるのかもしれない。
「史上最大の下剋上」で横浜優勝
セ・リーグ3位のDeNAが、クライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズでも2連敗からの4連勝で26年ぶりの日本一に輝いた。貯金42という圧倒的な強さでパ・リーグを制した福岡ソフトバンクホークスを、貯金2のDeNAが破った快挙はまさに「史上最大の下剋上」と呼ぶに相応しい戦いだった。
1998年にセ・リーグ制覇、日本一に輝いて以来、長らく下位に低迷するシーズンを過ごしてきたDeNA(横浜)ファンはいつしか、少しでも勝利の喜びを感じるため、試合で勝つたびにSNSで「\横浜優勝/」と投稿するようになった。
2016年に初のクライマックスシリーズ進出、2017年には19年ぶりの日本シリーズ出場も日本一はならず。2024年に26年ぶりの日本一に輝き、横浜優勝が現実のものとなった。しかしチーム、ファンともにリーグ優勝を果たしていないことは重々承知しており、来季のリーグ優勝、日本一連覇を見据えている。
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