NBAカップ(旧インシーズン・トーナメント)決勝を予想 優勝するのはバックスかサンダーか

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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昨季までインシーズン・トーナメントという呼称だったエミレーツNBAカップは、創設2年目の決勝を迎える。12月17日(日本時間18日)のラスベガスでのファイナルで対戦するのは、いずれも決勝の場にふさわしい2チームだ。

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オクラホマシティ・サンダーはウェスタン・カンファレンスで最高の守備が素晴らしい。一方、ミルウォーキー・バックスは開幕から2勝8敗という出だしの困難を乗り越え、その後は12勝3敗としてイースタン・カンファレンスで順位を上げている。

今回の決勝にはスター選手も多い。ヤニス・アデトクンボとシェイ・ギルジャス・アレクサンダーは、いずれもMVP投票でトップ5に入るはずだ。デイミアン・リラードはリーグ有数のオフェンシブガードで、ジェイレン・ウィリアムズは初のオールスター選出に向かっている。

ここでは、NBAカップの決勝でどちらが有利かを予想する。オッズは『BetMGM』から。

関連記事:オクラホマシティ・サンダー対ミルウォーキー・バックス 見どころ|12.18 エミレーツNBAカップ決勝(外部配信)

NBAカップ決勝の予想・オッズ

  • 開催日:12月17日(日本時間18日午前10時30分)
  • オッズ: バックス +4.5 (-105) | サンダー -4.5 (-115)

今季、両チームが対戦するのは初めてだ。ただ、似たようなロスターですでに昨季2回対戦している。ミルウォーキーでの初戦は、バックスが118-93で見事に勝利した。アデトクンボが欠場したオクラホマシティでの2試合目は、125-107でサンダーが雪辱を果たしている。

今回のマッチアップで有利なのはサンダーだ。決勝に至るまでの道のりはより厳しく、ヒューストン・ロケッツやダラス・マーベリックスを沈めてここまで来た。一方のバックスは大きくダメージを受けているオーランド・マジックと、下馬評で評価が高くなかったアトランタ・ホークスを倒しての決勝進出だ。また、どちらとの試合も接戦を制しての勝利だった。

そしてサンダーにはバックスをスローダウンさせられるだけの優れた人材がそろっている。対するバックスは攻撃の大半でアデトクンボとリラード頼みだ。アデトクンボをスローダウンさせられる選手はいない。しかし、リラードを苦しめてショットの出来を悪くさせることは可能だ。

それは、サンダーには質の高いペリメーターディフェンダーが多いからである。1on1のガードディフェンダーとしてルーゲンツ・ドートは間違いなくリーグ最高だ。アレックス・カルーソもすぐ続く。ケイソン・ウォレスもトップ20入りするだろう。この3人が試合を通じてリラードを苦しめるはずだ。

また、スティールとディフレクションでリーグトップのサンダーは、バックスに多くのターンオーバーを強いるだろう。バックスはターンオーバーが多いチームではないが、トランジションの守備が悪い。カオスをつくり出せば、サンダーはイージーなレイアップや3ポイントショットを増やせるだろう。

対するバックスは、ギルジャス・アレクサンダーにぶつけるのに素晴らしい選択肢を持ち合わせていない。スターティングラインナップ入りしたアンドレ・ジャクソンJr.は優れたペリメーターディフェンダーだが、攻撃面での不足から長時間にわたって起用するのは厳しいだろう。サンダーはスクリーンを多用するチームだけに、ミスマッチをつくってバックスの弱点を突こうとするはずだ。

しかし、バックスがアップセットを演じられるかもしれないと考えられる理由もある。アデトクンボはニコラ・ヨキッチを除けばリーグ最高の選手のようであり、彼を止めるだけの優れた選択肢はサンダーにも多くない。ウィリアムズは今季、よくセンターを守ってきた。だが、その彼ですら、1on1でアデトクンボを止めることはできない。

また、バックスは決勝トーナメントでクリス・ミドルトンが復帰した。ショットは良くないが、ロスターの層が厚くないことを考えれば、彼はバックスをより組織化させ、大きな助けとなっている。

そしてAJ・グリーンはここまでの試合でXファクターとなってきた。決勝トーナメントで3P14本中6本成功という鋭いシューターだ。彼の調子が良ければ、厳しいサンダーの守備に対して十分な攻撃力となるかもしれない。

ドック・リバース・ヘッドコーチのゲームプラン次第で、バックスは有利に立つこともできる可能性がある。サンダーにはひとつ弱点があるのだ。それはリーグ29位というディフェンシブリバウンドである。サンダーの対戦相手は、オフェンシブリバウンドで彼らを苦しめてきたのだ。

ただ、バックスにとって問題は、リバースHCが常にオフェンシブリバウンドを狙うより、トランジションディフェンスをセットすることを優先してきたことだ。今季もバックスはオフェンシブリバウンドがリーグ最下位となっている。

リバースHCがこの点でよりアグレッシブになれば、バックスにはリバウンドで成功するだけのサイズがある。一部の主力が同じメンバーだったマイク・ブーデンホルザー政権で、オフェンシブリバウンドが非常に優れているチームだったのだ。

おそらく、この大きな調整をリバースHCに期待するのは現実的ではない。サンダーは攻守両面で明らかに有利だ。バックスはここ15試合で好調だったが、この間にサンダー級のチームを倒してはいない。実際、1点差で勝利したロケッツ戦を除き、バックスが沈めてきたのは、いずれも力が下回るチームや負傷者を抱えたチームだった。

バックスは良いチームだ。しかし、サンダーはさらに上回る。今季のNBA優勝争いでも強力な候補と思われるサンダーの勝利となるはずだ。

原文:NBA Cup final pick, prediction, odds: Bucks and Thunder each present matchup issues, but one team has clear edge(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。