中日ドラゴンズのドラフトの評価は？…新戦力で得点力不足を解消できるか｜プロ野球2023

中日ドラゴンズは10月26日（木）のドラフト会議で1位指名の草加勝（亜細亜大）をはじめ、支配下で6名、育成で4名の合計10名を指名した。中日の現戦力と照らし合わせ、今年のドラフトを評価する。

中日の指名選手一覧

中日のドラフト指名総評：B

中日は1位で草加勝（亜細亜大／投手）を指名。1巡目では度会隆輝（ENEOS／外野手）に入札もクジを外し、続く入札でもロッテと競合したが、立浪監督監督が見事に交渉権を引き当てた。草加は最速153キロのストレートに、スライダー、カーブ、ツーシームなどを操る右腕で、「無尽蔵」とも言われるスタミナが武器だ。

創志学園では2年夏に控え投手として夏の甲子園に出場。同期には西純矢（現・阪神）がいた。亜細亜大では通算13勝をマークし、最優秀防御率、敢闘賞、最優秀防御率、ベストナインなどのタイトルを受賞。4年夏には侍ジャパン大学代表にも選出された。

2位の津田啓史（三菱重工East／内野手）は走攻守の3拍子が揃った大型遊撃手。横浜高では度会隆輝（ENEOS）と二遊間を組み、3年時には主将も務めた。3位の辻本倫太郎（仙台大／内野手）は守備範囲の広い遊撃手。仙台大では3年、4年で侍ジャパン大学代表に選出された。

4位の福田幸之介（履正社高／投手）は最速151キロを誇る大型左腕。5位の土生翔太（茨城アストロプラネッツ／投手）、6位の加藤竜馬（東邦ガス／投手）はともに体格に恵まれた右腕投手だ。

育成では独立リーグの4選手を指名。1位の日渡騰輝（茨城アストロプラネッツ／捕手）は高卒1年目でプロへの扉をこじ開けた強打の捕手だ。

1位の草加は大学時代の実績も充分。チームとしても1年目から先発ローテーション入りを期待しているだろう。今季の先発投手を見ると、小笠原慎之介、髙橋宏斗の若い2人と右のエース格の柳裕也が規定投球回に到達。しかしそこに続いたのは涌井秀章や福谷浩司らベテランだった。仲地礼亜、梅津晃大、根尾昂とともにローテ争いを激化させたい。

2位の津田、3位の辻本はともに内野手。中日は昨年のドラフトでも村松開人、田中幹也、福永裕基といった二遊間の選手を獲得。阿部寿樹、京田陽太を放出して血の入れ替えを図った。村松、福永は100試合近くに出場したが、二遊間の固定には至らなかった。競争を激化させ、鉄壁の二遊間を作り上げたいところだ。

支配下・育成含めて唯一の高卒となった福田は、将来性を見込んでの指名。投手の育成に定評のある中日でじっくり力を付ければ、数年後に一軍ローテ入りが期待できる。

土生、加藤はいずれも球威があるタイプの右腕。今季の松山晋也のように早くから一軍のリリーフとして活躍するかもしれない。

中日は立浪監督の就任以来、2年連続最下位に低迷している。即戦力を中心に指名したことから3年目の来季は巻き返すという意図を感じた。しかし一番の課題である得点力不足を解消する選手の指名に至らなかったことからB評価とした。