【NBAプレイオフ2025展望】東準決勝:セルティックス対ニックス

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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ニューヨーク・ニックスはオフシーズンでボストン・セルティックスを倒すための完ぺきなチームづくりを目指した。ジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウンを抑えるための守備に優れたウィングたちを加え、クリスタプス・ポルジンギスをバスケットから遠ざけられるストレッチビッグマンを獲得した。そしてセルティックスの3ポイントショットに対抗できるダイナミックな攻撃をつくり出した。

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しかし、レギュラーシーズンでそれらはまったく意味をなさなかった。4試合の対戦すべて、セルティックスが勝利したのだ。

トム・シボドー・ヘッドコーチ率いるニックスがレギュラーシーズンで苦戦した相手は、セルティックスだけではない。勝ち越しているチームとの戦績は、15勝23敗にとどまった。奮起しても、常にタレントを上回ることができるとは限らないと示している。

そういった苦戦ぶり(そしてセルティックスにホームコートアドバンテージがあること)から、ニックスはこのシリーズでかなり不利と見られる。しかし、彼らはもうひとつギアを入れることができるかもしれない。質の高いデトロイト・ピストンズを下して、セカンドラウンドに駒を進めてきたのだ。

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セルティックス対ニックスの予想

ニックスには番狂わせを演じるための可能性がある。セルティックスは健康面で万全ではない。そしてNBA優勝を達成した昨季ほど良くはないようだ。

このシリーズでXファクターになるかもしれないのが、ミッチェル・ロビンソンだ。この2チームの対戦で彼が出場できたのは、レギュラーシーズン最後の対戦だけだった。そしてその試合でニックスは接戦を演じている。セルティックスがポルジンギスやアル・ホーフォードを起用する際に、ロビンソンがニックスにサイズをもたらしたのだ。そして彼はカール・アンソニー・タウンズよりリムプロテクションがはるかに優れている。

偉大なるセルティックスに対して何か機能するのか、ニックスは可能な限りあらゆることにトライする必要があるだろう。ジョシュ・ハートはムラのあるシューターだが、昨季のプレイオフみたいにショットに自信を感じることができるようになれば、ニックスが勝つための道を切り開くことになるだろう。ハートがショットを打たないなら、マイルズ・マクブライドの役割が大きくなるかもしれない。

1980年以降のプレイオフでの対戦成績
ラウンド結果
20131回戦ニックスの4勝2敗
20111回戦セルティックスの4勝0敗
19901回戦ニックスの3勝2敗
19881回戦セルティックスの3勝1敗
1984地区準決勝セルティックスの4勝3敗

このシリーズでセルティックスにとって注目選手となり得るのが、ペイトン・プリチャードだ。今季のシックスマン賞を受賞した彼だが、昨季はプレイオフで出場機会を失った。ディフェンダーとして向上したが、ニックスは彼がいれば必ずターゲットにし、ジェイレン・ブランソンが有利なマッチアップにしようとするだろう。プリチャードが耐えられたら、その得点能力に対処するのは大変になる。

ニックスに勝機がないわけではない。だが、ある理由からセルティックスが有利となる。それは、彼らのほうが守備で優れており、攻撃力があって、層の厚さで上回り、さらに優勝経験もあるからだ。

ニックスは守備で欠点が多すぎる。そしてセルティックスは各ポジションで得点力がある。ニックスはケイド・カニングハムとジェイレン・デューレンのピック&ロールを止めるのに手いっぱいだった。セルティックスはもっと厳しい挑戦となる。

ニックスはいくつか白星をあげるかもしれない。だがおそらくは、セルティックスがカンファレンス・ファイナルでクリーブランド・キャバリアーズと対戦するすることになるだろう。

予想:第6戦でセルティックス勝利

セルティックス対ニックス、2024-2025シーズンのレギュラーシーズン成績

今季のレギュラーシーズンでの対戦は、4試合ともセルティックスが制している。ニックスはオーバータイムまでもつれた最後の対戦で競り合った。

  • 2024年10月22日:セルティックス 132-109 ニックス
  • 2025年2月8日:セルティックス 131-104 ニックス
  • 2025年2月23日:セルティックス 118-105 ニックス
  • 2025年4月8日:セルティックス 119-117 ニックス(延長)

両チームは今季の開幕戦で対戦しており、試合を通じてセルティックスがハートをノーマークにしていたが、ニックスは効果的な対抗策を見いだせなかった。

2試合目もまったく接戦にならず、ドリュー・ホリデーとポルジンギスが不在だったにもかかわらず、テイタムが40得点をあげてセルティックスが勝利している。3試合目も大半で主導権を握ったセルティックスが13点差で制した。

最後の対戦では、ビッグショットがいくつか見られた。第4クォーター残り2.9秒でテイタムが3Pを沈め、オーバータイムに持ち込むと、延長戦ではポルジンギスが30フィート(約9.1メートル)のロングショットを沈め、セルティックスが勝利している。

Jaylen Brown

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セルティックス対ニックス注目ポイント:痛みを乗り越えて戦い抜けるのはどちら?

万全の状態であれば、セルティックスはかなり楽にこのシリーズを勝ち抜くはずだ。だが、ブラウンはひざの問題を抱えており、今季は攻守両面でより効果的でなかった。テイタムが欠場したファーストラウンドの第2戦で36得点をあげたように、ビッグパフォーマンスを見せた試合もあるが、安定していない。

テイタムもファーストラウンド序盤で手首を痛めたが、第3戦で戻ってからは非常に良いプレイを見せた。故障者情報からは外れているが、骨の打撲は完全に治るのにしばらくかかるだろう。

また、ホリデーもハムストリングのケガを抱えており、直近の3試合を欠場している。

一方で、ニックスもフィジカルの問題と闘っているところだ。ブランソンはレギュラーシーズン終盤に右足首のケガで15試合を欠場しており、そのためにいくつかの試合で苦しんだ。

それでも、この2チームにはどちらにも、痛みを乗り越えて戦おうとするスター選手たちがいる。それをよりうまく成し遂げたチームが、カンファレンス・ファイナルに勝ち進むだろう。

原文:Celtics vs. Knicks prediction, odds, schedule for 2025 NBA Playoffs second round series(抄訳)
翻訳:坂東実藍


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Stephen Noh

Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

坂東実藍 Miran Bando

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。