なぜレイカーズはプレイオフ早期敗退した? レブロンとドンチッチを擁しながら1回戦で沈んだ原因

Gilbert McGregor

坂東実藍 Miran Bando

なぜレイカーズはプレイオフ早期敗退した? レブロンとドンチッチを擁しながら1回戦で沈んだ原因 image

ルカ・ドンチッチとレブロン・ジェームズがコンビを組むようになって初のロサンゼルス・レイカーズのプレイオフは、5試合で終わりを迎えた。

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ウェスタン・カンファレンスの第3シードでポストシーズンに臨んだレイカーズだが、NBAプレイオフ2025のファーストラウンドで、第6シードのミネソタ・ティンバーウルブズに1勝4敗。トレードデッドライン(トレード期限)でドンチッチを獲得して以降、プレイオフでの躍進を期待していたレイカーズにとっては、ほろ苦いシーズン終了となった。

ポストシーズンで大きな勝利を収めるのは、簡単なことではない。そしてウルブズはレギュラーシーズンでレイカーズよりも1勝少なかっただけのチームだ。そのウルブズがプレイオフに向けてよりうまくつくられたことを証明したのに対し、レイカーズはシリーズを通じて欠点を露呈させた。

レイカーズはプレイオフで何がうまくいかなかったのか。ここでは、ファーストラウンド敗退となった最大の要因のいくつかをまとめる。

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レイカーズは何がうまくいかなかったのか?

早々の敗退となったことが示すように、レイカーズはシリーズの大半でウルブズを下回った。それを考慮すれば、特定の問題をひとつだけ指摘するのは不可能だ。

もちろん、まず注目されるのはスター選手たちだろう。そして第1戦でレブロン・ジェームズがフィールドゴール18本中8本成功の19得点にとどまったことや、第3戦で体調不良のドンチッチがFG16本中6本成功の17得点だったことが、レイカーズの助けにならなかったのは確かだ。それに、第4戦の前半にオースティン・リーブスが得点をあげていたら、どうなっていただろうか。

シリーズが進むにつれ、ウルブズのほうがチームとして上であることが示された。いくつか際立った問題の大半は、ロスターのつくり方に関係する。

フロントコートの存在感の欠如

フィジカルの問題で破談となったが、トレードデッドラインでシャーロット・ホーネッツからマーク・ウィリアムズを獲得しようとしたことが示すように、レイカーズがフロントコートのアップグレードを目指していたことは周知のとおりだ。

ウィリアムズの獲得がなくなり、レイカーズは先発センターがジャクソン・ヘイズとなり、球団は層を厚くしようとアレックス・レンと契約した。

しかし、レンはレギュラーシーズンで大きな活躍を見せられず、プレイオフでは実質的に使えなかったため、レイカーズが必要なリムプロテクションのプレッシャーはますますヘイズにかかることとなった。そしてヘイズはそれを実現できず。ウルブズとの第5戦は出場機会もなかった。

リムに向かって走る脅威となるような選手がいて、ドンチッチがそこに供給できる時こそ、彼が攻撃面でベストの力を発揮できることは、これまでの歴史が示している。2024年にダラス・マーベリックスをNBAファイナルに導いたドンチッチの支配力も、この点が大きなポイントだったのだ。

さらに、レイカーズは守備でも真の意味でのリムプロテクションを欠き、アンソニー・エドワーズらウルブズの選手たちにドライブを許し、ルディ・ゴベアを支配的な存在とすることになった。

ローテーションの層の薄さ

第4戦の後半、レイカーズのJJ・レディック・ヘッドコーチがまったく交代を行わなかったことは、しばらく話題となるだろう。

理由がレディックの指導者としての経験不足なのか、それともリザーブに対する信頼感のなさなのかは、ここでは重要ではない。レイカーズのロスターの出来に関する根本的な問題が露呈されたのだ。

ドンチッチはコンディションの問題を言われている。ジェームズは40歳で、NBA史上最長の出場時間を記録してきた選手だ。その彼らを擁している中で優勝を目指すチームであれば、信頼してスポット出場させられる駒がない状況にあってはならない。

優勝するようなコーチは、戦略的な休息の価値を認識している。たとえそれが、少し相手に勢いを許すことになっても、だ。レディックの決断はレイカーズをスタミナ切れに導いた。第4戦の第4クォーターにレイカーズは二桁点差で上回られている。

対照的に、ウルブズはドンテ・ディビンチェンゾ、ジェイデン・マクダニエルズ、ナズ・リードといった選手たちが貢献。それぞれレイカーズの相手を上回るプレイを見せ、チームはその恩恵を受けた。

レディックHCはこれから成長し、向上していくだろう。ポイントは、ロスターのアップグレードが役に立つということだ。

守備の崩壊

トレードでドンチッチが加わって以降、レイカーズは守備に波があった。それはプレイオフでも続き、第5戦ではゴベアに27得点、24リバウンドを記録されている。

ドンチッチの守備面を指摘するのは簡単だ。しかし、レイカーズ低迷の原因は必ずしもそれだけではない。リムプロテクションのなさが最大の問題だったし、プレイを実践するのにレイカーズに必要な人材がそろっていなかったことは、シリーズを通じて明らかになっていった。

最終スコアを見てみよう。

  • 第1戦:ウルブズ 117-95 レイカーズ
  • 第2戦:レイカーズ 94-85 ウルブズ
  • 第3戦:ウルブズ 116-104 レイカーズ
  • 第4戦:ウルブズ 116-113 レイカーズ
  • 第5戦:ウルブズ 103-96 レイカーズ

複数の要因から、レイカーズにはウルブズについていくだけの攻撃面での得点力がなかった。そして第2戦のように白星をもぎとれるほどの守備もほかの4試合では出せなかった。

レイカーズにはタレントの力がある。だが、今季のプレイオフは、通算18回目のタイトルを目指すのであれば、いくつかの改善点がまだあることを球団に思い起こさせただろう。

原文:What went wrong for the Lakers? Why L.A. lost in first round despite Luka Doncic-LeBron James pairing(抄訳)
翻訳:坂東実藍


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Gilbert McGregor

Gilbert McGregor first joined The Sporting News in 2018 as a content producer for Global editions of NBA.com. Before covering the game, McGregor played basketball collegiately at Wake Forest, graduating with a Communication degree in 2016. McGregor began covering the NBA during the 2017-18 season and has been on hand for a number of league events.

坂東実藍 Miran Bando

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。