ジョン・ウォール来日密着レポート Day1:京都&大阪編

及川卓磨 Takuma Oikawa

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8月25日、ワシントン・ウィザーズのポイントガード、ジョン・ウォールが、京都と大阪でadidasのプロモーションツアーに参加し、日本のファンの前にその姿を現わした。

前夜に大阪入りしたウォールにとって、来日は初めてのこととなる。

関西空港到着から10数時間後、ウォールはまず京都(京都ハンナリーズアリーナ)でバスケットボールクリニック「skill challenge with John Wall」を行なった。右足を痛めていたウォールは、激しい動きこそ見せることはなかったものの、参加者たちの動きをチェックしながら、ボールを動かし、ドリブルテクニックやシューティングタッチの良さを垣間見せていた。

約1時間にわたるクリニックでは、主にピック&ロールの基本的なテクニックを直接指導した。基本的なスクリーンからのロールの動きや、ピック&ロールを使ったボールマンのドライブの方法、逆にディフェンス側から見たピック&ロールの守り方など、2対2の練習メニューを重点的にこなした。短時間のクリニックでこのメニューを採用したところに、ポイントガードであるウォールが、いかにピック&ロールを重要な戦術と捉えているかが分かる内容だった。

クリニックの最後は、ボール2つを使ったシューティングゲームを開催。選手たちはフリースローラインから後ろに一列に並び、先頭の選手がシュートを打ってスタート。そのシュートが外れたら自らリバウンドを取り、シュートが入るまで打ち続ける。その間に、2番目の選手がシュートを放ち、先頭の選手がシュートを決めるよりも先に2番目の選手がシュートを決めたら、先頭の選手がアウトとなりコート外に出る――これを繰り返し、最後の1人まで残った選手が優勝、というシューティングゲームだ。優勝者にはウォールから直筆サイン入りシューズが贈呈された。

クリニック終了後のインタビューでウォールは、「みんな熱心に僕の話を聞いてくれているのがわかった。短い時間であれだけ吸収できるのは凄いこと。今日の練習がみんなの上達の助けになれば嬉しい」と語り、参加した選手たちを勇気づけた。

また、ファンからの質問にも答えたウォールは、小学生から「子供の頃、どのくらい練習しましたか?」と聞かれると、「とにかくバスケットボールをプレイすることが大切。君のような小さな子が、僕にそういう質問をすること自体が、君がどれだけがんばっているかの証だよ。だから、そのままがんばれ!」と励ましていた。

参加者、観覧者たちにとっては、NBA選手から直接指導を受け、アドバイスをもらう貴重な経験の場となったに違いない。

その後、バスで大阪(アディダスパフォーマンスセンター大阪)へ移動したウォールは、ファンがウォールと自分の携帯機器で自撮り(Selfie)ができるイベント「selfie with John Wall」に参加。

店内はひと目ウォールを観ようと集まったファンで埋め尽くされ、足の踏み場もないほどとなった。NBA選手とのセルフィーを実現した約50名のラッキーなファンは、またとないチャンスに皆、満面の笑顔を見せていた。

大阪でのスケジュールを終えると、すでに時刻は夕方18時近く。だが翌日のイベントのため、最終便で沖縄(那覇空港)へ移動した。ウォール一行を乗せた飛行機は、22時過ぎに那覇空港へ降り立ったが、到着ゲートには数十名のファンの姿があった。

ウォールは、初めて訪れる沖縄の熱気とファンの熱気を肌で感じたことだろう。夜中だというのに蒸し暑さの残る空港を出て、待機していたバスに乗り込んだウォールは、嬉しそうにファンに手を降り、笑顔でホテルへと去っていった。

>>>Day2:沖縄編へ続く

文&写真:及川卓磨(NBA.com日本版 編集長) Twitter: @oitaku

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協力:adidas Japan

及川卓磨 Takuma Oikawa

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スポーティングニュース日本版編集長。千葉県生まれ、茨城県育ち。2000年日本大学卒。大学在学時を含めて丸14年間バスケットボール専門誌の編集者として企画立案・取材・執筆・編集・誌面制作・マルチメディア運営等に携わる。2013年秋にNBA日本公式ウェブサイト『NBA Japan』編集長就任。サイトやNBA日本公式ソーシャルメディアの新規開設に携わると同時にメディア運営を主導。2022年4月より現職。主な競技経験はバスケットボール、野球、サッカー。