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40分の間、点の取り合いが絶え間なく繰り広げられるバスケットボールでは何本ものシュートが放たれる。そのなかには「相手に精神的なダメージを与える一発」も存在する。今回紹介するB.LEAGUE(Bリーグ)、川崎ブレイブサンダースの辻直人は、そうしたシュートをこれまで幾度となく決めてきた選手だ。
リーグ首位の3ポイント成功数
辻の得意プレイは、自身も「一番の武器」と認める3ポイントショットだ。ノーマークではもちろん、たとえタイトなマークを受けていても積極的に狙い、楽々と沈めてしまう。今季の3ポイントショット成功率(38.9%)はリーグ6位、成功数114本は堂々のトップだ(第25節終了時)。
シュートの精度はもちろん、ピック&ロールやドリブル中にマークマンとのズレを作り、一瞬の隙をついてシュートに持ち込むまでの動きも巧みで、プレイヤーはぜひ参考にしてほしい。
試合の局面で3ポイントショットをねじ込む勝負強さも見逃せない。2013年から16年まで開催されていた日本のトップリーグ「NBL」の2016年ファイナル最終第5戦では、試合残り27秒、3点差に迫る相手チームを突き放す3ポイントショットを成功。この決定的な一発で、チームをNBLの頂点へ導いたのだ。
昨季のBリーグ開幕以降も、相手に引導を渡す長距離砲を何度も決めている。ここぞという場面では、辻から目を離してはいけない。
芸術的なアシストでチームメイトの好機を演出
もちろん、相手チームは辻にシュートを打たせまいと対策を練ってくる。そんなときに繰り出されるのが、もうひとつの武器であるパスだ。
辻がいかに優れたパサーか、2月の滋賀レイクスターズ戦で披露したニック・ファジーカスへのアシストを見れば一目瞭然だろう。
そこを通すか...!!
— B.LEAGUE(Bリーグ) (@B_LEAGUE) 2018年3月20日
川崎#14 辻直人にしか見えていないパスコース😱@naoto158 @brave_thunders #Bリーグ pic.twitter.com/pirK8dCq6q
そのほかにも、ピック&ロールやドライブからのビハインド・ザ・バックパス(背中越しに繰り出すパス)、リングにアタックする選手へのノールックパス(パスする相手を見ずに供給するパス)など、辻がピンポイントのアシストでチームメイトの好機を演出する機会は少なくない。針の穴を通すような正確無比のパスは、芸術的といっても過言ではないだろう。
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現在B1東地区3位の川崎にとって大一番となりそうなのが、3月30、31日(第26節)にホームで行なわれるアルバルク東京戦だ。
日本代表の田中大貴と竹内譲次、元NBA選手のアレックス・カークとジャワッド・ウィリアムズなどを擁するタレント軍団は、ピック&ロールを多用するセットプレイで勝利を積み重ね、川崎と同じ東地区で首位に立つ。
川崎にとっては今季最後の直接対決で、2ゲーム差で先行するA東京に追いつくのはもちろん、チャンピオンシップでも顔を合わせる可能性がある相手に苦手意識を植え付けておきたいところ。そのためには、辻の活躍が欠かせないのは言うまでもない。
洛南高校ではウィンターカップ優勝、青山学院大学時代はインカレ優勝、川崎でもNBL時代の2014年と16年にリーグ優勝と、辻は常に“勝者”であり続けてきた。
しかし、昨季のチャンピオンシップ決勝では田臥勇太率いる栃木ブレックスに敗れ、涙を呑んでいる。今季のチームスローガンは「CHASE」。追い求めている「Bリーグ王者」という称号を手中に収めることができるか――。すべては“勝利の味”を知る辻の双肩にかかっている。