IOCが東京五輪ボクシング実施可否を先送りへ AIBAは「選手に影響する」と不満

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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2020年東京オリンピックでのボクシング除外問題が5月に先送りにされた。AIBAは3月27日のIOC理事会直前、国際犯罪関与疑惑のあった前会長が辞任し、会長代行を選出するなど組織改革をアピールしたが、IOC理事会は実施可否の答えを出さなかった。

 

小出しに組織改革をアピールするAIBA

各国アマボクシングの組織を束ねる、国際ボクシング協会(AIBA)には、2016年リオデジャネイロ五輪での組織的な八百長疑惑、2017年の当時の会長による不正経理や巨額の負債発覚など、大きなスキャンダルが続いていた。

さらに2018年11月には、国際犯罪への関与が疑われるガフル・ラヒモフ氏が新会長となったことで、国際オリンピック委員会(IOC)は、AIBAの「ガバナンス、倫理、財務管理」への懸念を表明するに至った。

ラヒモフ会長は過去の問題は清算したと返答したが、IOCは組織の“正常化”が認められない限り、2020年東京オリンピックでのボクシング除外の可能性を示唆し、予選会などの準備凍結を命令。AIBAに対する調査委員会を設置した。

AIBA側の抜本的な改革が求められるなか、スイス・ローザンヌでのIOC理事会(3月27日)を前にした3月25日、AIBAはラヒモフ氏による辞任声明を公表。理事会での信任投票で賛成23人、反対なし(棄権2人)により、会長代行としてモハメド・ムスタサン副会長(モロッコ)を承認した。

また、海外メディア『インサイド・ザ・ゲームズ』によると、ロシアボクシング連盟の事務局長であるウマル・クレマレフ氏が1600万ドル(約17億7000万円)の負債補填を申し出たという。これを受け、AIBA側も組織改革が完了したことをアピールしたようだ。

 

IOCは可否の答えを先延ばし

しかし、27日のIOCローザンヌ理事会で東京五輪でのボクシング実施可否の答えは出されず、5月22日の次回理事会における最終報告を受けて決定することになった。AIBA側はすでに“条件は整えた”と認識しており、公式サイトで今回の決定延期に不満を表明した。

その声明のなかで、トム・バーゲッツ事務局長は、「決定の遅れが選手たちに直接影響する。改革への情報と資料はもう出しきった。もう前進するべきだ。彼ら(IOC)はボクサーの幸福を何よりも優先すべきことを理解していない。選手、関係者、そしてファンが待っている」と述べている。

IOC側の“無理解”を糾弾したAIBA事務局長の言葉だが、理事会直前に付け焼き刃のように条件を整えても信用は得られないだろう。AIBA側が“間に合わせの約束”ではないことを証明する必要がある。

日本でも3月に予定されていた予選選考会が中止されたままだ。念願のプロからアマ登録が実現した高山勝成ら選手たちは、刻々と減っていく時間に不安を抱えながらその答えを待っている。果たして、東京五輪を目指す選手、そしてボクシングファンたちの望む答えが出るのだろうか。

 


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※記事はIOC公式サイト『Olympic Channel』提供

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。