12月22日、中央競馬の1年の総決算、第69回有馬記念(G1)が開催される。
ここでは、AIを用いて今年の有馬記念の予想を出力。豪華メンバーが集まるなかドウデュースの出走取消でさらに混戦ムードが漂う暮れの大一番の行方を人工知能が占う。
AIに質問した内容
今回はOpenAI(オープンエーアイ)社のChat GPT(チャットジーピーティ)、Perplexity AI社のPerplexity(パープレキシティ)、X(エックス/旧ツイッター)社のGrok(グロック)を用いて有馬記念を予想。それぞれチャットボットには出走馬と枠順、各馬の血統、生産者、通算成績、2024年の成績、これまでのG1勝ち鞍、鞍上、調教師の情報を与えた上で、有馬記念の1着から3着までを理由を述べるとともに予想するよう質問した。
Chat GPTの予想
昨今日本でも広く認知されているChat GPTは1着をブローザホーン、2着をアーバンシック、3着をスタニングローズと予想。なんと穴人気が想定されるブローザホーンとスタニングローズを大胆に指名した。
ブローザホーンを1着予想した理由としてChat GPTは「持久力と経験値」を挙げた。2024年の宝塚記念を勝利した本馬はタフなレース展開が得意とし、瞬発力よりも持久力が要求される中山競馬場・芝2,500メートルは彼のスタイルに合っていると説明。その他にも今年2勝を挙げている実績、鞍上の菅原が長距離レースに強いことなどを根拠としていた。
2着予想のアーバンシックは菊花賞で証明したスタミナと3歳馬の斤量有利、ルメールの技術、父スワーヴリチャードからくるパワーを評価。3着予想のスタニングローズはエリザベス女王杯で2,200メートルをこなした中長距離適性とムーアの実績、牝馬の斤量を推奨理由としていた。
特にこちらが指示したわけではないが、Chat GPTは着順の予想とは別に展開の予想を出力し、ペースはややスローからミドルペースを想定。先行馬が少なく直線勝負に持ち込まれる可能性が高いと予想した。挙げた3頭のレースの進め方については、ブローザホーンは道中脚を溜めて3コーナーからロングスパート、アーバンシックは馬群から直線粘り込み、スタニングローズは外から伸びて上位を狙う展開を理想としていた。
Perplexityの予想
「パープレ」の略称でも知られるPerplexityは1着に人気の一角のアーバンシックを指名。こちらも菊花賞馬であることから長距離適性を評価しているが、今年のクラシック戦線での勢いも予想ファクターとして紹介。鞍上とも相性が良く内枠であれば好位を取りやすいため、最後の直線で力強い末脚を発揮できるとの結論であった。
2着はベラジオオペラ、3着はスターズオンアースの予想。前者は内枠や中山での好走歴からスローの粘り込みを期待、後者は昨年2着の実績と距離適性、瞬発力を評価してとのことであった。
Grokの予想
Xのブラウザ上やアプリで利用することのできるGrokはアーバンシックを1番手に推奨。評価ポイントは血統の良さ、ルメールの位置取りの上手さ、調教師の管理力の3点としていた。2番手はダノンデサイルで、ダービー馬であること、エピファネイア産駒であることからスタミナとパワーを評価。横山典弘の騎乗も理由の一つとし、3歳馬ゆえの成長力も挙げていた。3番手のスタニングローズはエリザベス女王杯の勝利が特に中山への適性を感じさせ、2,500メートルへの距離延長も歓迎との評。ムーアの技術と調教師の仕上げ力も予想の根拠としていた。
Chat GPTのケース同様こちらが指示したわけではないが、Grokは「総合的な予想」と銘打ってレースの展開と注意すべき馬について記述していた。有馬記念は「序盤から中盤のペースが重要」とし、アーバンシックは中団から徐々に進出するスタイルで直線での伸びを狙える位置を取ると予想。ダノンデサイルは先行力の高さがあり内枠からでも外に持ち出すタイミングを図れると評した。スタニングローズは追い込み策が予想され、ムーアの手腕に期待がかかるとしていた。注意すべき馬には実績からジャスティンパレスとベラジオオペラを挙げていたものの、特に注目されるのは前述した3頭と改めて強調していた。返答の最後には「実際のレースでは様々な要因が影響を与えるため、最終的な結果は予測の範囲を超えることがあります」と一言断り、あくまで事前の判断材料から導いた予想だとして文章を終えていた。
各AIの返答の考察
マトモな答えを出してくれるようAIにはなるべく多くの情報を与えて質問をしたが、チャットボットはこちらの想像以上に詳細な予想でこちらに返答していた。各々インターネット上の情報から学習し知識としているからか、ところどころ回答が似たような内容になっていた部分はあったが、それでも推奨馬はかなりバラけておりChat GPTが行ったような大胆な穴予想も見られた。
今回利用した3つのAIチャットボットはどれも持久力を重視していた傾向にあった。スタンド前に高低差があり小回りの中山のコーナーを6回回るコース形態の有馬記念は一般的に末脚の持続力やパワー、立ち回りの上手さが重要と言われており、AIも膨大なデータから持久力の重要性を察知し予想を出力していると思われる。各馬の脚質や好走歴、鞍上をなどの要素を組み合わせて根拠にした考察も説得力があり、筆者の総評としては「思ったよりしっかりとした予想を出せる」といったところだ。
AIはインターネット上の無数のデータから学習をしユーザーの質問に答えていることから、チャットボットが出力する回答はある意味で「AIが考えた予想」とは完璧には言えないかもしれない。しかしAIはインターネット上の情報や考察から学習した内容をある程度論理的に回答に落とし込むため、膨大な予想ファクターを整理しきれない時には思い切ってAIに頼ってみるのも有用な手段かもしれない。
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