ロサンゼルス・レイカーズのコービー・ブライアントが昨日(現地14日)のミネソタ・ティンバーウルブズ戦で、マイケル・ジョーダンの通算3万2292点を抜き、NBA通算得点ランキングで歴代3位に浮上した。コービーはこの試合で26点をあげ、通算3万2310点としている。
"ジョーダン超え"は、キャリアを通じてその背中を追ってきたコービーにとって、大きな節目と言える出来事だろう。
そこで、コービーとジョーダンのスコアリングに関するカテゴリー別の通算成績を列挙し、比較してみたい。
※成績はすべてレギュラーシーズンのもの。現地2014年12月14日時点。
■通算プレー年数
コービー: 19シーズン(96-97~現在)
ジョーダン: 15シーズン(84-85~92-93、94-95~97-98、01-02~02-03)
ジョーダンのほうが4シーズン少ない。なお、ジョーダンは引退していたシーズンが合計4シーズン(93-94、98-99~00-01)あり、94-95シーズンも途中復帰。コービーは98-99シーズン(50試合)と11-12シーズン(66試合)が短縮シーズンだった。
■通算出場試合数
コービー: 1269試合
ジョーダン: 1072試合
ジョーダンのほうが197試合少ない。
■1試合平均得点
コービー: 25.46点
ジョーダン: 30.12点(歴代首位)
ジョーダンのほうが4.66点高い。
■通算出場時間
コービー: 4万6422分
ジョーダン: 4万1011分
ジョーダンのほうが5411分少ない。1分当たりの得点はコービーが0.696点、ジョーダンが0.787点。
■フィールドゴール成功率(成功 / 試投)
コービー: 45.2%(11,261 / 24,908)
ジョーダン: 49.7%(12,192 / 24,537)
ジョーダンのほうが成功数が931本多く、逆に試投数は371本少なく、成功率は4.5%高い。
■3ポイントシュート成功率(成功 / 試投)
コービー: 33.4%(1,675 / 5,022)
ジョーダン: 32.7%(581 / 1,778)
コービーのほうが試投数・成功数ともに約2.8倍多く、成功率も0.7%高い。
■フリースロー成功率(成功 / 試投)
コービー: 83.7%(8,113 / 9,692)
ジョーダン: 83.5%(7,327 / 8,772)
コービーのほうが成功数で786本、試投数で920本多く、成功率も0.2%高い。
■2ポイントシュート成功率
コービー: 48.2%(9,586 / 19,886)
ジョーダン: 51.0%(11,611 / 22,759)
ジョーダンのほうが成功数で2025本、試投数で2873本多く、成功率も2.8%高い。
■eFG%(イフェクティブ・フィールドゴール%:3Pを考慮したFG成功率。3P成功数を1.5倍の価値があるとした場合のFG成功率を示す)
コービー: 48.6%
ジョーダン: 50.9%
ジョーダンのほうが2.3%高い。
■TS%(トゥルー・シューティング%:3PとFTを考慮したシュート成功率。計算式は『得点÷{2 x (FGA + 0.44 x FTA)}』
コービー: 55.4%
ジョーダン: 56.9%
ジョーダンのほうが1.5%高い。
数字を客観的に見てみると、ジョーダンのほうがより少ない時間で効率よく得点を稼いだ、と言えそうだ。ただ、これらの数字は、時代背景やルールの違いをまったく考慮していない。その点は、忘れるべきではないだろう。
2人のスタッツを調べていて、筆者の頭に浮かんだのは『継続』という言葉だ。
コービーは18歳の高卒選手としてNBA入りして以来、1シーズンたりとも休まずプレーし、得点を稼ぎ続けてきた。一昨季終盤戦、34歳のときにアキレス腱を断裂するという重傷を負いながらも、わずか8カ月で復帰したコービーは今、再び第一線を走り続けている。
一方、ジョーダンは現役時代に2度引退している。モチベーションを取り戻すために、いわば"充電期間"を必要としたのだった。
あのジョーダンでさえ、キャリアを通じてモチベーションを維持し続けることができなかった。そう考えると、コービーがトッププレーヤーとして常に最前線で戦い続けていることの偉大さを感じずにはいられない。
通算得点の数字は、努力と継続の証である。それらが偉大な記録という結果になることを、コービーは改めて証明して見せたのだ。