中日ドラゴンズから自由契約となったライデル・マルティネスが、読売ジャイアンツと2年契約に合意したと全米野球記者協会所属のフランシスコ・ロメロ記者がX(旧Twitter)で伝えた。現時点で巨人から正式な発表はない。しかし報じられた通り巨人入りとなった場合、どのような布陣となるのだろうか。
■マルティネスは巨人でどのように起用される?
<大勢が8回を担当する可能性>
マルティネスは2017年に育成選手として中日に入団し、2018年に支配下登録されて一軍デビューを果たした。当初は先発として起用されることもあったが、2019年からは中継ぎに固定され、今シーズンまでに通算303試合に登板し、14勝18敗、166セーブ、42ホールド、防御率1.71の成績を記録している。
今シーズンは60試合に登板し、43セーブを挙げ、2度目の最多セーブのタイトルを獲得した。58回を投げて59奪三振、奪三振率は9.16であり、奪三振能力に優れる。巨人でも中継ぎ、特に守護神としての起用が濃厚だ。
現在の巨人の守護神である大勢は、今シーズンは43試合に登板し、1勝2敗、29セーブ、5ホールド、防御率0.88を記録した。右肩の負傷による離脱があり、登板試合数は伸びず、セーブ数も30には届かなかったが、防御率はキャリアハイとなる0点台を記録した。41回を投げて54奪三振、奪三振率は11.85であり、奪三振率はマルティネスを上回っている。さらに、5セーブ以上を挙げた投手の中では12球団トップの奪三振率を誇る。東京ドームでは21試合に登板し、失点はわずか1、防御率0.44と圧倒的な成績を残した。
大勢が8回を担当し、9回にマルティネス(またはその逆)を起用する形、あるいは登板間隔や相手打者との相性を考慮して併用することで、12球団屈指の勝ちパターンとなるだろう。
<大勢の他にも強力な中継ぎ投手>
大勢以外の中継ぎ陣も充実している。今シーズンはバルドナード(26H)、高梨雄平(25H)、船迫大雅(22H)、西舘勇陽(20H)、ケラー(20H)の5人が20ホールド以上をマークした。同一球団で5人が20ホールド以上を記録したのはNPB史上初の快挙であり、守護神の大勢に繋ぐまでのメンバーも盤石だった。西舘は先発に転向する可能性があるものの、バルドナードとケラーの両外国人投手はすでに残留が決定している。
先発投手が5回を投げた後、6回と7回を5人(または4人)の中から2人が担当し、8回からは大勢とマルティネスが登板する──相手球団にとっては大きな脅威になるのは間違いない。
<大勢が先発投手に転換する可能性は?>
絶対的な守護神としてマルティネスが加われば、大勢を先発に配置転換する可能性もある。近年、山本由伸やモイネロが勝ちパターンから先発に転向し成功した例があり、机上の空論とは言い切れない。
大勢はプロ入りしてから一軍での先発起用はないが(二軍では1試合のみ、投げたのは1イニング)、関西国際大時代には先発として結果を残しており、4年秋のリーグ戦では7試合で39回1/3を投げ、防御率1.60を記録した。
大勢の投球スタイルはストレートとフォーク(スプリット)の2球種を中心に、スライダーを交えるもので、先発として長いイニングを任せるには球種が少ないと懸念する声もある。
しかし、ロッテの佐々木朗希や種市篤暉は、ストレートとフォーク(スプリット)、スライダーの3球種で先発として一定の成績を残しており、オリックスの山下舜平大も同様に3球種でやりくりしているため、持ち球は必要十分といえる。中継ぎとして圧倒している大勢にとって、先発挑戦には十分な価値があるはずだ。
マルティネスが巨人入りすれば、大勢とのWストッパー体制、または配置転換による新たな布陣が整い、いずれにせよ巨人の投手陣は今シーズンから大きく変化するだろう。
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