欧州サッカークラブ大会の最高峰、UEFAチャンピオンズリーグ決勝戦のキックオフが目前に迫ってきた。2023-2024年シーズンを勝ち抜いたボルシア・ドルトムントとレアル・マドリードの一戦について、様々な勝敗予測が飛び交っている。27年ぶり2度目の優勝を狙うドルトムントと、2年ぶり15度目の優勝を狙うレアル・マドリード。最後にトロフィーを掲げるのはどちらのクラブになるか。
スポーティングニュースは、この試合の結果を予想するために重要となるデータを紹介する。
ドルトムントvsレアル・マドリード、過去の戦績は?
ドルトムントはドイツのブンデスリーガ、レアル・マドリードはスペインのラ・リーガと、それぞれ国内のリーグ戦において常に上位に君臨する両者は、欧州大会の常連である。実に、両者は過去14回も対戦しており、その全てはチャンピオンズリーグであった。
戦績は、引き分け5試合、ドルトムント3勝、レアル・マドリード6勝となっており、総スコアは24-19でレアル・マドリードが勝ち越している。直近の対戦は2017-2018年シーズンのグループステージで、レアル・マドリードがアウェイで3-1、ホームで3-2と連続勝利を収めた。
これまでの対戦成績からはレアル・マドリードが有利に見えるが、欧州最強の称号がかかった舞台は他の試合と全く異なる緊張感に包まれるかもしれない。次に、両者の過去のチャンピオンズリーグ決勝における成績を見ていく。
ドルトムントがチャンピオンズリーグ決勝まで勝ち進んだのは今回で3度目だ。1度目は1996-1997年シーズンで、ユベントス相手に3-1で勝利を収めクラブ初となる優勝を手にした。しかし2度目の2012-2013年シーズンは、国内のライバルであるバイエルン・ミュンヘンに1-2で敗れ、悔しい結果に終わる。ただ、これらの試合はかなり前に遡るため、当時の雰囲気を経験した選手がほぼ残っていないことに注意が必要だ。
一方のレアル・マドリードは、今回で18度目のチャンピオンズリーグ決勝となり、これまで14回という大会史上最多の優勝記録を誇る。決勝戦での勝率が8割超えという驚くべき数字であることに加え、直近の優勝は2021-2022年シーズンであるため、この舞台を経験したことのある選手たち、特に決勝ゴールを挙げたビニシウスや中盤で試合を支配したクロース、モドリッチなどが今なお在籍していることは、今大会でも大きなアドバンテージになるだろう。
このように、チャンピオンズリーグ決勝における成績から見てもレアル・マドリードが圧倒的に有利であることは間違いない。ただ、最も肝心なのは現在のチームの調子である。以下で、ここまで上がってきた両チームの軌跡を分析する。
ドルトムントとレアル・マドリード、今シーズンの軌跡
決勝まで上がってきた両者はここまで12試合を消化。ドルトムントは、グループステージでパリ・サンジェルマン相手に0-2、準々決勝第1戦でアトレティコ・マドリード相手に1-2と、2試合で敗北を喫したが、レアル・マドリードはいまだ無敗である。今大会における両者の成績は以下の通りだ。
- ドルトムント:7勝3分2敗
- レアル・マドリード:8勝4分
なお、レアル・マドリードは無敗であることに加え、リードを許した比率が今大会で最も低い7.5%(90分/1200分)となっている。さらに、ドルトムントの17よりはるかに多い26の得点を記録しており、これらを考慮するとレアル・マドリードの調子が良いことは明らかだろう。
しかし、決勝戦はそう簡単にいくとは限らない。レアル・マドリードが15の失点を許した一方、ドルトムントはここまで9点しか失っておらず、また、レアル・マドリードの3試合に比べ、ドルトムントはその倍となる6試合でクリーンシート(無失点試合)を達成してきた。攻撃におけるデータではレアル・マドリードだが、守備におけるデータではドルトムントが勝っているのだ。よって、レアル・マドリードの攻撃陣vsドルトムントの守備陣、そこが決勝戦においての注目点になると言える。
さらに、今シーズンの軌跡を振り返る上で重要になるのが、国内での成績である。それぞれの国内におけるリーグ戦、カップ戦の成績は以下の通りだ。
- ドルトムント:ブンデスリーガ5位、DFBポカール ラウンド16敗退
- レアル・マドリード:ラ・リーガ優勝、スーペルコパ優勝、コパ・デル・レイ準決勝敗退
コパ・デル・レイでは準決勝で姿を消したものの、リーグ戦とスーペルコパでは宿敵バルセロナを大きく離して優勝を決めたレアル・マドリード。一方のドルトムントはリーグ戦で5位、カップ戦もラウンド16で敗退と、今シーズンの結果は芳しくなかった。だが、これらの要素はプラスに働く可能性もある。ここまで何も成し遂げられなかっただけに、最後のチャンピオンズリーグ決勝にかける思いは誰よりも強いかもしれない。
そして、この試合においてキーマンとなるのが、ドルトムントのマルコ・ロイスとレアル・マドリードのトニ・クロースだ。10年以上にわたってそれぞれのチームを支え続けてきた2人のレジェンドは、この試合をもって退団することが決定している。全盛期を終えた現在でも第一線で活躍する両選手。最後、彼らがトロフィーを掲げる姿を見たいサポーターは数多くいることだろう。
欧州を制覇するのはどちらか?
ここまで見てきた全てのデータを考慮すると、レアル・マドリードが優勢と言わざるを得ない。しかし、ドルトムントが定評のある守備で集中力を保ち、1点をせめぎ合う戦いになれば勝敗は分からなくなる。今シーズン最後の大一番を制し、欧州最強の称号を手にするのはどちらのチームか。日本時間6月2日(日)早朝の決勝戦に注目だ。
データ協力:Opta by Stats Perform
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