渡邊雄太「個人としてももっと成長しなければ」|セルティックス戦後一問一答(1月13日/現地12日)

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杉浦大介 Daisuke Sugiura

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ブルックリン・ネッツの渡邊雄太が1月13日(現地12日)にニューヨーク州ブルックリンのバークレイズ・センターで行われたボストン・セルティックス戦後にメディアの取材に応じた。

この試合で渡邊は21分8秒間のプレイで3ポイントショット3本中1本成功を含むフィールドゴール5本中2本成功の5得点を記録したものの、チームは98-109で敗れている。

以下、渡邊の試合後の一問一答(すべて日本語での質疑応答。質問は要約)。

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個人としてももっと成長しなければ

――今日の試合を振り返って。

渡邊:細かい部分で徹底しきれなかったところがチームとしてあり、こっちに流れが来そうなところで持って来れず、相手に終盤に流れを持っていかれてしまいました。それで10点差(実際は11点差)をつけられてしまったという感じです。

――満員のアリーナで首位攻防戦。最初はショットミスもあったが、いつもと違う緊張感はやはりあったのか。

渡邊:ゲームが始まったらあまり感じませんでした。最初のシュートが外れたのも、ああいうこともあるだろうぐらいで別に気にはしませんでした。ただ、今日は個人的に特に悪いことがあったかと言われたらそうでもなかったですけど、いいところもなかった。個人としてももっと成長しなければと思いました。

――昨季のイースタン王者セルティックスの強さはどこに感じたか。

渡邊:今日はジェイレン・ブラウンはいなかったですけど、それでも良いシューターが揃っています。ジェイソン・テイタムが1対1を仕掛け出したときに、あれだけ良いシューターのウイング陣がコーナーで待っていると、ヘルプに行きにくい部分もやはりありました。ヘルプに行ったらキックアウトされて、そこで決められたりもしましたね。

優勝するためにはああいうチームを倒さなければいけません。今日は負けましたけど、実力で劣っているとは思っていません。さっきも言ったように、流れの部分でうちが徹底しきれなかっただけで、修正できる部分だと思うので、しっかり反省し、次の試合に生かしたいと思っています。

――接戦で迎えた最終クォーター、決め手になったのは。

渡邊:チーム全体で気になったのは、オフェンシブリバウンドを簡単に取られてる部分が多かったことです。しっかり自分たちでリバウンドを取れば攻撃につなげられますが、オフェンシブリバウンドを相手に与えてしまうと、そこでもう一回、ディフェンスをやり直しになります。オフェンシブリバウンドを取られたあとは良いリズムで打たれることが多くなり、そうすると自分たちの次のオフェンスもより力が入ってしまいます。そういうところから今日は流れを掴めなかったのかなという感じでした。

自分も含めて、一人一人がステップアップしなければいけません

――エースのケビン・デュラントがいない約1か月間をどう乗り切っていきたいか。

渡邊:彼がいなくても勝てるだけの選手は十分揃っていると思っています。彼がいるときは頼っている部分はあるので、自分も含めて、一人一人がステップアップしなければいけません。今日は負けてしまいましたけど、次の試合はしっかり勝っていけるようにしたいと思っています。

――日本のファンは3Pを決めるシーンも楽しみにしている。

渡邊:アテンプト自体はもっと増やしていってもいいかなと思っています。KD(デュラント)がいないからといって、自分が1対1とか、今までやっていなかったことをやる必要はないです。彼がいなくても得点を取ってくれる選手はたくさんいるので、僕の役割を必要以上に増やすべきとは思っていません。ただ、もっと攻撃のアクションに加わっていくことは大事だと思っているので、そのなかでしっかりアテンプトを増やしていけたらと思っています。

――これまでチーム全体で積み上げてきたが、デュラントのような大黒柱が抜けると、少しやり直し、チームの作り直しという感覚もあるのか。

渡邊:シーズン82試合とプレイオフのなかで、一切、ケガなく乗り切るというのはなかなか難しいものです。それがないのがもちろん良いんですけど、遅かれ早かれ、彼が抜けるタイミングというのはどこかしらであるとも考えていました。ここでまた一から積み上げていくというより、今まで自分たちがやってきたことをやり、それにプラスし、彼がいない分を埋めていく作業が大事。

例えばディフェンスなどでは、これまで積み上げてきた部分は彼がいてもいなくても同じです。もちろん彼がいないことのダメージは大きいですけど、いないとまったく別のチームになるとか、今までやってきたのとは違うことをやらなきゃいけないのかといったら、そうではないと思っています。

僕を含め、そのへんはチーム全体がしっかりとわかっています。今日のパフォーマンスはインテンシティがやはり足りなかったと思うので、そこが反省点になってくると思います。

――過去20戦中18勝で盛り上がっていたチームの士気はデュラント離脱後も下がっていないか。

渡邊:全然、下がっていません。このチャレンジに対して前向きに捉えています。昨季、僕はいなかったですけど、ネッツは去年もこの時期までは上位にいて、そこからKDのケガで流れが悪くなっていきました。優勝を狙うためには、彼がいない期間にどれだけやれるかが重要になってきます。

(シーズン序盤には)カイリー(・アービング)がいない期間もあったなか、しっかり自分たちのバスケットをやって勝ったりもしていました。誰が抜けても、誰が入ってきても、自分たちのやらなきゃいけないことは変わらずにやっていきたいと思っています。

――今日でちょうどシーズン折り返しの41試合。ここまでは長かったか。

渡邊:いや、あっという間でした。もう41試合終わったんだという感じです。残りの41試合もあっという間に終わるのでしょう。優勝を目指すためにいろいろ考えながらやっていかなきゃいけないところはあるんですけど、やはり1試合1試合、楽しんでやらないと勿体ないとも思っています。僕としてはあと41試合しかないんだというくらいの気持ちですね。

もちろん競争するところはしっかりと競争し、楽しむっていう部分も忘れずに。特に昨季、ラプターズにいたときにその部分を忘れてしまっていたので、去年の経験を生かして、忘れずにやっていけたらと思っています。

――10日で今季の契約が保証され、家族で軽いお祝いはしたのか。

渡邊:いや、何もしていないです。お祝いは優勝してからします。

取材・一問一答構成:杉浦大介


ネッツは次戦、1月16日午前8時(現地15日)にバークレイズ・センターでオクラホマシティ・サンダーと対戦する。

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ

杉浦大介 Daisuke Sugiura

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東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している。