渡邊雄太「ここまで僕を残してくれたっていうことは、チームが必要としてくれたから」|スパーズ戦後一問一答(1月3日/現地2日)

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杉浦大介 Daisuke Sugiura

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ブルックリン・ネッツの渡邊雄太が1月3日(現地2日)にニューヨーク州ブルックリンのバークレイズ・センターで行われたサンアントニオ・スパーズ戦後にメディアの取材に応じた。

この試合で渡邊は12分13秒間のプレイで3ポイントショット1本中1本成功を含むフィールドゴール3本中2本成功、フリースロー2本中2本成功の7得点を記録し、139-103の快勝に貢献した。

以下、渡邊の試合後の一問一答(すべて日本語での質疑応答。質問は要約)。

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すごく良い形でバスケットできている

――12連勝を遂げたネッツの強さは。

渡邊:メンバー的にはこれくらいできる力があるのは最初からわかっていました。時間の問題だなと僕は思っていたので、別にサプライズでもなんでもないです。今、1人1人が自分の役割を理解し、全員がチームにフィットしていると思うので、すごく良い形でバスケットできているなと思っています。

――今年の目標は。

渡邊:最終目標は優勝というのがもちろんあります。今日で12連勝しているからといって、次も絶対勝てるという保証は当然ないですし、ここからアウェイでまた厳しい試合が続きます。このまま連勝したいというのもありますけど、そこにはあまり囚われすぎず、1戦1戦しっかりとやっていって、普段自分たちがやっていることを継続し、やり続ければと思っています。

――自身の3Pに対する警戒が厳しくなっていることについて。

渡邊:相手がスカウトしてくるのはわかっているなかで、今日みたいにパンプフェイクからのドライブだったり、ここ数試合はそういったプレイができていると思います。それをしっかり続けることによって、相手のディフェンスが選択肢を絞りにくくなり、また自分の3Pも打てるようになっていくと思っています。

別に無理して打ちにいく必要は全然ないです。特に今、これだけチームが調子が良いなか、もともとチームの調子が良くなくても僕は毎試合20得点を取っていく役割ではないので。そこは自分の役割をしっかり理解し、打てるところはしっかり打ち、今日みたいに相手が飛んできたらドライブをしっかりしてという感じで、アグレッシブにいかなきゃなとは思っています。

――3Pに対するこだわりはあるのか。

渡邊:数に対するこだわりは一切ないです。高確率で決めることによって、味方のスペースを空けることができる。2022年はシーズンが始まってから高確率で3Pを決められていたので、2023年も続けていかなきゃなと思っています。

――この2戦、ネッツは一度もリードを許していない。以前の不安定さがなくなり、一段上の強さになってきたという感覚は。

渡邊:相手もNBAチームなので、簡単に勝てる試合は当然ありません。そんななか、この試合は絶対に落とせない試合というか、絶対に勝っておかなければいけない試合っていうのを勝ち切れる強さというのが間違いなくついてきていると思っています。

ここからまたアウェイでシカゴ(ブルズ)、ニューオーリンズ(ペリカンズ)、マイアミ(ヒート)、そして戻ってきてボストン(セルティックス)と続き、タフな試合になります。(相手も)当然、自分たちが連勝で来るなかで気合を入れてくると思うので、みんなしっかり気を引き締め直してやっていけたらと思っています。

――大勝ゆえにプレイタイムは減ったが、長いシーズンのなかではこういうゲームもあっていいと感じるか。

渡邊:むしろ僕は「ああ、あそこは使われないんだ」という感じでした。今までの自分だったらあそこから出て、何とか自分にできることをアピールしなきゃっていうところでした。コーチからの信頼がすごいあると思いました。別に今日のプレイタイムが減っていることに対しての心配は一切なく、チームとして良くなってきているという感じですかね。

――今日のハイライトはアービングのダンクだった。近くで見てもすごさを感じたか。

渡邊:もちろん彼もすごいアスレティックでジャンプ力があるのはわかっているんですけど、あんなダンクは見たことないんで、「まだできるんだ」ってチーム全員でびっくりした感じですかね(笑)。

――これまでに見たゲームダンクではトップか。

渡邊:今シーズンでいうとトップなんじゃないですかね。タイミングもばっちりでしたし。

ここまで僕を残してくれたっていうことは、チームが必要としてくれたから

――1月10日までチームに残った場合、無保証契約から今季のサラリーが保証された契約に変わる。それについての思いは。

渡邊:僕はそもそもこの契約の形態自体も全然、何も気にしていませんでした。保証されようが無保証だろうが、切られる時は切られます。逆にいうと無保証でも残してくれるっていうことは、それだけ必要としてもらえている、とシーズンが始まる時にそうプラスに捉らえるようにしていたんです。ここまで僕を残してくれたっていうことは、チームが必要としてくれたから。

今までも同じようにお給料をもらっていましたし、保証されたからといってインテンシティーが減るとか、気持ち的に緩むというのはあり得ません。いろんな選手がカットされるのを僕は散々目の前で見てきているので、(契約が保証されても)全然何も変わらないです。

――遠征先のシャーロットからの飛行機で年越ししたということだが、1月1、2日はニューヨークでお正月らしいことはできたのか。

渡邊:香川県民なんで、年越しはそばではなくてうどんを食べるんです。帰ってきて、またすぐうどんを食べて、それだけです。新年っぽいことをやったと言ったら年越しうどんを食べただけです。

――試合を観に来ていたキリアン・エムバペ(サッカー、フランス代表)が試合後、ロッカールームを訪れたということだが、写真を撮ったのか。

渡邊:みんな撮りました。ちょっと全員、ミーハーになっていたかもしれません(笑)。僕はワールドカップはそんなには見てないんですけど、やっぱりサッカーの次の顔になる選手ですし、あんな選手が試合を観に来ているんだ、すごいなと思いながら見ていました。

取材・一問一答構成:杉浦大介


ネッツは次戦、1月5日午前10時(現地4日)にイリノイ州シカゴのユナイテッド・センターでシカゴ・ブルズと対戦する。

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杉浦大介 Daisuke Sugiura

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東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している。