八村塁の成長と貢献 レイカーズのプレイオフ躍進&NBA優勝争いに必要な存在へ

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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ロサンゼルス・レイカーズが再びでプレイオフ危険な存在となりそうだ。

開幕から25勝25敗だったレイカーズだが、ここ25試合は17勝8敗という成績。この間の攻撃はリーグ3位で、相手を73点も上回っている。

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これほど事態を好転させられたのはなぜだろうか。それは、トーリアン・プリンスに代え、八村塁をスターティングラインナップに戻したからだ。

これは11月から我々が求めてきたことだが、すぐに功を奏した。以降、八村は平均15.8得点、4.7リバウンド、フィールドゴール成功率58.5%、3ポイントショット成功率44.7%を記録している。

八村とレブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビス、オースティン・リーブス、ディアンジェロ・ラッセルのスターティングラインナップは、昨季プレイイン・トーナメント出場からウェスタン・カンファレンス・ファイナルまで勝ち進んだ時と同じだ。

レイカーズはその再現を目指している。そして八村は、再びチームに火をつける役割を果たすかもしれない。

八村塁は正真正銘の偉大なシューター

昨季のプレイオフにおけるレイカーズの躍進で大きかったのが、八村のショットだ。やや驚きでもあった。ワシントン・ウィザーズでの4シーズンで、3P成功率は35.6%と、良くはあるが素晴らしくはなかったからだ。そのため、昨季プレイオフで記録した48.7%という数字がたまたまだったのかは判断するのが難しかった。

だが、それから一年が経ち、レイカーズでの八村のショット力向上は本物だったと言える。3P成功率42.1%はリーグ13位の数字だ。キャッチ&シュートの3P成功率は41.5%コーナーからの3P成功率は44.8%。リーグ有数のフロアスペーサーとなっている。

八村がシューターとして成長したことは、ほかにも良い効果をもたらしている。相手が厳しくクローズアウトせざるを得ず、それによって八村はかつてないほど簡単にバスケットへドライブできるようになったのだ。

乗っている時の八村は、止めるのが不可能なほどである。

レイカーズが必要としていた役割を完璧にこなすようになった八村は、大きな称賛に値する。ウィザーズ時代はもっとアイソレーションスコアラーだった。特にサイズのミスマッチで有利な時に、その爆発力を出せることは変わらない。

ただ、今の八村はそれに頼るよりもっと完成された選手になっている。彼のショット力は、リーブスやラッセル、そしてもちろんジェームズといった選手たちのチャンスを増やしているのだ。八村はボールを持っていなくても、持っている時と同じように効果的であり、それによってレイカーズの攻撃はリーグ有数となっている。

八村塁の隠れた貢献

一面的なスコアラーというレッテルを貼られて長かった八村だが、それが変わりつつある。

リバウンド数は平均的に見えるが、八村はチームを助けることをしている。1試合平均のボックスアウトはデイビスに次ぐチーム2位だ。相手のオフェンシブリバウンドが危険となるのを封じている

八村が10リバウンドを記録し、レイカーズが136-124で勝利した3月のメンフィス・グリズリーズ戦後、ジェームズが「僕たちにとっての鍵」と評したように、チームメイトもそれに気づいている。

また、守備でも八村は賢いプレイをしている。ブロックの数字は卓越したものではない。だが、正しい場所をとり、縦への素晴らしい力を生かすことで、相手のショットに影響を及ぼしているのだ。『Crafted NBA』によると、リム付近で八村が守っている時の相手選手のショット成功率は、見込みより4.4%低い数字となっている。

八村は素晴らしい勝者に変貌を遂げつつある。ボックススコアで見えるよりもはるかに大きな貢献をし、周囲の選手たちをより良くさせるような存在だ。ウィザーズで正しい役割を見つけられないようだった若手有望株とは大きく異なる選手になっている。ジェームズも最近の八村がスターターとして「とても快適」な様子だと話した。

ロサンゼルスで八村はすべてがうまくいっている。彼がレイカーズを非常に危険なチーム、昨季のような驚きの快進撃を続けるかもしれない存在としているのだ。

おそらく、王者デンバー・ナゲッツが乗り越えられない壁であることは変わらない。だが、今季のレイカーズはオクラホマシティ・サンダーとの対戦で3勝1敗を記録している。そして彼らとの試合で八村はフィールドゴール成功率53.3%、3P成功率54.5%をマークしているのだ。もしもプレイオフのファーストラウンドでレイカーズがサンダーと対戦したら、再び上位シードチームにとって立ちはだかる存在となるかもしれない。

原文:This Rui Hachimura is what the Lakers need to make NBA Playoffs and upset another championship contender(抄訳)
翻訳:坂東実藍

Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。