なぜ八村塁はナゲッツとのシリーズでレイカーズのキーマンとなり得るのか?|NBAプレイオフ2024

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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八村塁はロサンゼルス・レイカーズで素晴らしいシーズンを過ごした。2月2日(日本時間3日)に彼がスターティングラインナップに含まれてから、レイカーズのシーズンは好転したのだ。八村は素晴らしい攻撃力をもたらし、レギュラーシーズンを22勝10敗で締めくくったレイカーズを助けた(プレイイン・トーナメントを含めれば23勝10敗だ)。

そしてこれから、八村はプレイオフでもっと重要な存在となる。

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レイカーズがデンバー・ナゲッツ相手に苦しんできたのは周知のとおりだ。昨季のウェスタン・カンファレンス・ファイナルではスウィープ(4勝0敗)を許した。そして今季、王者となったナゲッツとのシリーズは0勝3敗に終わっている。

両チームとも、スターティングラインナップは昨季と同じになる見込みだ。つまり、レイカーズが違う結果を残したければ、何か変化が必要となる。その変化となるかもしれないのが、ファーストラウンドの数試合で状況を左右するだけの才能を持つ八村だ。

ここでは、八村塁がこのシリーズでXファクターとなり得る理由をまとめる。

なぜ八村塁がナゲッツとのシリーズでレイカーズのキーマンなのか

八村塁がニコラ・ヨキッチをマークする可能性

レイカーズは昨季プレイオフで苦しめられたヨキッチに対する良い答えを出せていない。昨季の西地区決勝シリーズで、ヨキッチには平均27.8得点、14.5リバウンド、11.8アシストを記録された。

アンソニー・デイビスは素晴らしいディフェンダーだ。しかし、彼でもヨキッチとのマッチアップは耐えきれなかった。そこでレイカーズはそのデイビスが動けるようにし、八村をヨキッチとマッチアップさせて少し改善している。第1戦の終盤から採用した戦略だ。

リーグのトラッキングデータによれば、昨季のシリーズで八村が主にマークした際のヨキッチのフィールドゴール成功率は40.0%だった。もちろん、それでもレイカーズはナゲッツをとらえられなかったが、八村は大半にわたってまずまずの仕事をこなしている。

284ポンド(約129キロ)のセンターであるヨキッチ相手に、八村はサイズ面で大きく不利だ。だが、食らいつき、ショットにコンテストしていた。

おそらく、レイカーズは今季のシリーズでも、ところどころでこのマッチアップを試すだろう。レギュラーシーズンの対戦で、八村はあまり成功できなかった。ヨキッチにはFG成功率69.6%を記録されている。今季のナゲッツがいくつか調整をしてきたのだ。八村がマッチアップするのを見るや、ヨキッチを低い位置につけさせ、ウェッジアクションを使った。

八村がヨキッチ相手に1on1のストッパーとなる必要はない。だが、デイビスがヘルプできるようにさせる必要がある。レギュラーシーズンの対戦で、その戦略が機能し得るところを示している。

八村塁はナゲッツの守備相手に得点可能

八村はシーズンを通じてレイカーズの攻撃に火をつけてきた。彼がスターティングラインナップ入りするまで、レイカーズの攻撃はリーグ21位だったが、その後は3位まで飛躍している。

昨季プレイオフでも、八村はナゲッツ相手にとても良かった。平均15.3得点はチーム4位の数で、FG成功率は53.3%だった。自分より小さいナゲッツの選手を相手に、ポストアップから多くの成功を収めている。

ブルース・ブラウンJr.がマッチアップしてきた時は常にうまくやった。ジャマール・マレーが相手でも同じだ。

レイカーズはこれらのミスマッチを生かし続けることができる。そこで八村が超効果的なスコアラーとして活躍してきた。昨季のシリーズでマークがマレーの時、ナゲッツにダブルチームを強いたのだ。結果、八村はキックアウトでオープンな3ポイントショットにつなげた。

もうひとつ、八村が混乱を引き起こせるのが、コーナーからウィークサイドをカットしてダンカースポットを手にする点だ。これらの動きは、コンスタントなローテーションを攻める上で良策だろう。プレイイン・トーナメントでニューオーリンズ・ペリカンズに勝利した際も、レイカーズは多用していた。

おそらく、レイカーズはナゲッツの攻撃をそれほどスローダウンさせられないだろう。ナゲッツはあまりにも優れている。だが、攻撃で相手を上回ろうとし、良いショットをつくることが、レイカーズがいくつかの試合をものにするための最高のチャンスとなるのだ。

その点で、八村が助けになることは間違いない。レギュラーシーズンの3P成功率は42.2%で、チーム最高の3Pシューターとなった。レイカーズは彼とディアンジェロ・ラッセルがロングショットを決める必要がある。

いずれにしてもレイカーズにとって厳しい戦いとなることは確実だ。誰もがナゲッツのシリーズ勝利を予想している。だが、八村はいくつかの試合をビッグゲームとすることが可能だ。攻守両面で八村がビッグパフォーマンスを見せられれば、レイカーズにとってアップセットを演じる最高のチャンスとなるだろう。

原文:Why Rui Hachimura is the key to Lakers upsetting Nuggets in 2024: Nikola Jokic defense, 3-point shooting & more(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。