ラプターズのプレイイン・トーナメント進出の可能性が消滅、渡邊雄太にとって残りの試合は今季最後のアピールの場に

及川卓磨 Takuma Oikawa

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渡邊雄太が所属するトロント・ラプターズのプレイイン・トーナメント及びプレイオフ進出の可能性が潰えた。

5月10日(日本時間11日)、イースタン・カンファレンスのプレイイン・トーナメント進出枠(7~10位)を争っているインディアナ・ペイサーズがクリーブランド・キャバリアーズに111-102で勝利し、今季32勝目(36敗/残り4試合)をあげ、イースト9位に浮上した。また、同日、ワシントン・ウィザーズがアトランタ・ホークスに敗れて同10位に降格したものの、残り3試合を残して32勝37敗としている。

そのため、この日試合がなかった同12位のラプターズ(現在27勝41敗)が残り4試合でペイサーズとウィザーズを逆転する可能性がなくなり、プレイイン及びプレイオフ進出の可能性が消滅した。

今季本来の本拠地であるトロント(カナダ)ではなく、フロリダ州タンパのアマリー・アリーナを代理本拠地としてきたラプターズは、11日(同12日)にロサンゼルス・クリッパーズ戦、13日(同14日)に敵地でのシカゴ・ブルズ戦、14日(同15日)に敵地でのダラス・マーベリックス戦、16日(同17日)にペイサーズ戦の残り4試合で2020-21シーズンを締めくくる。

渡邊雄太にとって今季最後のアピールの場

チームのプレイオフ進出の可能性はなくなったものの、4月下旬に念願のNBA本契約を勝ち獲ったばかりの渡邊にとって、残りの試合は決して消化試合ではない。むしろ、絶好のアピールの場にもなりえる。

勝敗の重要性が薄れるこれらの試合で、渡邊のように来季の契約が保証されていない立場の選手たちは、より多くの出場時間を得られる可能性がある。また、首脳陣からすれば、これらの試合は来季チームに残すべき選手なのかどうかを判断する材料のひとつにもなるだろう。

渡邊は6日(同7日)のウィザーズ戦を欠場する原因となった右足首の痛みを抱えている状態ではあるものの、10日(同11日)時点のインジャリーリポートに名前は記載されていない。そのため、次戦以降も試合に出場すると見られる。

通算3度目の先発出場を果たした8日(同9日)のメンフィス・グリズリーズ戦後の記者会見で渡邊は、「今すぐ休まなきゃいけないほど酷い怪我ではない。今シーズンに関しては痛みと付き合いながらやっていくしかない」と語っていた。

「コートに立ったら、怪我をしていようがなんだろうが、言い訳はできない。怪我があっても自分のプレイをしっかりやっていかなければいけないと思っています」。

プレイイン進出の可能性を残すブルズ

一方、この日試合がなかった同11位のシカゴ・ブルズは、4試合を残して現在29勝39敗。ブルズは、イースト8位で現在33勝35敗(残り4試合)のシャーロット・ホーネッツ、同9位ペイサーズ、同10位ウィザーズのいずれのチームに対してもタイブレークを保持しており、プレイイン進出の可能性を残している(ブルズは今季の各チームとの直接対決で、ホーネッツに3勝0敗、ペイサーズに2勝1敗、ウィザーズに2勝1敗と勝ち越しを決めている)。

ブルズの残り4試合は11日(同12日)のブルックリン・ネッツ戦、13日(同14日)のラプターズ戦、15日(同16日)の敵地でのネッツ戦、16日(同17日)のミルウォーキー・バックス戦だ。ビリー・ドノバン・ヘッドコーチ体制1年目のチームは、2017年以来4年ぶりのプレイオフ進出を目指している。

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及川卓磨 Takuma Oikawa

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スポーティングニュース日本版編集長。千葉県生まれ、茨城県育ち。2000年日本大学卒。大学在学時を含めて丸14年間バスケットボール専門誌の編集者として企画立案・取材・執筆・編集・誌面制作・マルチメディア運営等に携わる。2013年秋にNBA日本公式ウェブサイト『NBA Japan』編集長就任。サイトやNBA日本公式ソーシャルメディアの新規開設に携わると同時にメディア運営を主導。2022年4月より現職。主な競技経験はバスケットボール、野球、サッカー。