【バスケW杯】NBAオールスター選出の可能性を感じさせるパオロ・バンケロ|FIBAワールドカップ2023

Stephen Noh

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パオロ・バンケロは昨季のNBAで素晴らしいルーキーシーズンを過ごし、大差で新人王に輝いた。そのバンケロはFIBAバスケットボールワールドカップ2023でも、NBAでの1年目が氷山の一角でしかないことを示している。

アメリカ代表でのバンケロは、オーランド・マジックでプレイする時と役割が大きく異なる。マジックはサイズのある選手が多く、プレイメークできるガードが不足していた。そのため、バンケロはほとんどフォワードとしてプレイしていた。『Basketball Reference』によると、センターで起用されたのは出場時間のわずか3%だ。

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一方、アメリカ代表でのバンケロは、ジャレン・ジャクソンJr.の控えとして、スモールボールの5番(センター)という役割を担うようになった。そしてそこで今後に向けた兆しをうかがわせ、自身に対する一部の批判を黙らせている。

パオロ・バンケロのワールドカップでの出来はNBAオールスター選出への道筋

バンケロが自分でつくり出すことができる選手なのはすでに周知のとおりだ。攻撃力に欠けたマジックで新人ながら1試合平均20得点を記録している。当初批判の的となったのは、ショットの効率だ。フィールドゴール成功率は42.7%、3ポイントショット成功率は29.8%にとどまった。

だが、もしもバンケロがすべてをひとりでこなす必要がなかったらどうだろうか?

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それが垣間見えたのが、今回のワールドカップだ。より才能あるガードのお膳立てがある中で、バンケロは驚異的な効率を発揮するようになった。FG成功率62.5%は、ジャクソンJr.の73.7%に次ぐチーム2位だ。3P成功率50%も、オースティン・リーブスの54.5%に次ぐ2番目の数字である。

バンケロはベンチスタートから途中出場してすぐに攻撃力を発揮している。1試合平均16分間に満たない出場時間で、チーム3位となる平均11.3得点をあげているのだ。ローラーとしてファンタスティックで、やすやすとプレイをフィニッシュできる。守備を広げた相手に対し、トップから攻撃を促進する存在となれる。

バンケロのスキルレベルは、彼をマークしてきた典型的なビッグマンたちを大きく上回る。自身が持つ技の数々で、バンケロは国際舞台の相手をもでくの坊のように見せてきたのだ。

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バンケロはスピードでも相手に問題を引き起こす。どのチームもトランジションでの簡単な得点を最大限に増やすべく、速いプレイを望むものだ。そしてバンケロはセンターとして、足さばきが遅い相手をすり抜けたり、ボールを持ったらすぐに攻め、アメリカのセカンドユニットを一気に速攻へ向かわせることができる。

細いが強いこともあり、相手チームはバンケロにファウルするしかなくなる。フリースロー試投5.2本はアメリカ代表最多の数字だ。NBAでも新人でトップ10に入る7.4本を記録しただけに、驚きではないだろう。数年でリーグをけん引するようになるかもしれない。

センターとしてのバンケロに対する大きなクエスチョンマークとなるのが守備だろう。彼個人はリバウンドをよく拾っている。だが、今大会では大きな選手を相手にしてのボックスアウトで苦しんできた。ただ、ポストでの守備やリムプロテクトに関しては想定以上だ。平均1.0ブロックを記録しており、ヘルプで何度か素晴らしいブロックを見せている。

バンケロはスイッチの際も堅実だ。ロンデイ・ホリス・ジェファーソンのように、今大会絶好調の選手たちを封じてきた。さらにその長さを生かし、スピードあるガードにドライブを許さない。

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マジックのロスター構成のため、バンケロはこれまで超効率的なセンターとなる機会を得られなかった。マジックでは守備の負担もあり、攻撃を救おうとタフショットを打たなければいけなかった。

今後もずっと同じようになるとは限らない。マジックはバンケロを中心にロスターを築くようになっており、彼が飛躍するチャンスはある。すでに一部のビッグマンを放出し、ジョー・イングルズのように守備を広げられる選手を加えた。

来季もバンケロがフルタイムでセンターを務めることはないだろう。だが、試合の終盤に試すことで、マジックが最高のラインナップとする可能性はある。そしてこれまで見せてきたスキルを引き続き披露できれば、新シーズンのバンケロはオールスター選手となるかもしれない。

原文:Paolo Banchero's Team USA FIBA World Cup performance is showing his path towards an All-Star sophomore season(抄訳)

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Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.