「日本のバスケが強くなっているのはすごいこと」豪代表のミルズがFIBAワールドカップでの日本の活躍を語る

YOKO B

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「あの東京オリンピックの後に、ワールドカップで(日本代表が)あんなふうに活躍する姿を見れて本当に良かった」

11月6日(日本時間7日)、オクラホマシティで単独インタビューに応じてくれたオーストラリア代表のパティ・ミルズ(アトランタ・ホークス)は、FIBAバスケットボールワールドカップ2023で対戦した日本代表チームについて尋ねると、感慨深げにそう話し始めた。

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2021年の東京オリンピックで、ミルズ率いるオーストラリアはそれまでの悔しい経験を糧に悲願の銅メダルを獲得。一方の日本は1勝もできずに予選敗退に終わった。渡邊雄太は当時、「チームを勝たせれなかったという部分でまだまだキャプテンとして力不足だなと感じましたし、自分自身、もっとできたなという部分もあるので、悔しいという気持ちでいっぱいでした」と話していた

あれから2年が経ち、2023年8月に開催されたW杯で日本は3勝2敗の成績でアジア1位となり、2024年のパリオリンピック出場権を自力で手に入れた。日本のこの快挙をミルズが自分のことのように喜んでいるように見えたのは、元チームメイトの渡邊が、キャプテンとして悔しさと責任を感じながら臨んだW杯への強い思いを知っていたからなのかもしれない。

Basketball Japan FIBA World Cup 2023
(fiba.basketball)

日本はグループフェーズ初戦のドイツと最終戦のオーストラリアには敗れたが、第2戦では格上のフィンランド相手に劇的な逆転勝利を飾った。「あれはとてもエモーショナルな勝利だったね」と、ミルズはフィンランド戦を振り返る。そして、日本代表チームの成長ぶりについてこう続けた。

「日本は素晴らしかったと思う。日本のバスケットボールが、特に国際的な舞台で、どんどん強くなっているというのは本当にすごいことだよ」

「日本には高いスキルがある素晴らしいシューターが揃っている。そして、身長は関係ないということを見せてくれた。小柄なガード陣が、臆することなく情熱的にプレイしていたし、高い確率でシュートも決めていた。実際に対戦してそれを見れたのが良かった」

身長188cmとNBA選手としては小柄なミルズには、富樫勇樹(身長167cm/千葉ジェッツ)、河村勇輝(身長172cm/横浜ビー・コルセアーズ)、富永啓生(身長188cm/米ネブラスカ大学)のようなサイズの小さい選手が、圧倒的体格差のある相手に果敢にアタックし、チームの勝利に貢献しようと懸命にプレイする姿は特に印象に残ったようだ。

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Yuki Kawamura Japan vs Australia FIBA World Cup 2023
(fiba.basketball)

もうひとり、ミルズが気になった選手がいる。それは今年2月に日本国籍を取得し、日本代表としてセンターを務めたジョシュ・ホーキンソン(サンロッカーズ渋谷)だ。しかし、彼が話し始めたのはホーキンソンの活躍についてではなかった。

「日本の選手たちみんなが彼を巻き込んでまとまっていて、彼は代表チームの中ですごく快適にプレイできていたと思うんだ」と、ミルズは言う。

「それがとても印象的だった。日本のバスケットボールの実力の話とはまた別の話かもしれないけれど、そういう様子を垣間見れたのも良かったよ」

これは、オーストラリアという結束の固いチームを牽引するミルズならではの着眼点といえるだろう。オーストラリアは長い時間をかけて「チーム一丸」のカルチャーを築き上げ、着実に強くなってきたチームだ。そんな国際大会の経験が豊富なミルズには、この夏、まさにチーム一丸となって3勝をあげた日本代表チームの成長ぶりがさまざまな側面から見て取れたのかもしれない。

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YOKO B

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静岡県出身。大学卒業後渡米し、オクラホマ大学大学院修士課程修了。2014年よりオクラホマシティ在住。移住前にNBAのオクラホマシティ・サンダーのファンとなり、ブログで情報発信を始める。現在はフリーランスライターとして主にNBA Japan/The Sporting Newsに寄稿。サンダーを中心に取材するかたわら、英語発音コーチも務める。