【バスケW杯】ジョーダンのシグネチャーショットを身につけたアンソニー・エドワーズ|FIBAワールドカップ2023

Scott Rafferty

【バスケW杯】ジョーダンのシグネチャーショットを身につけたアンソニー・エドワーズ|FIBAワールドカップ2023 image

現在のアメリカ代表で最高の選手は誰なのか。もはや疑うことはないだろう。

FIBAバスケットボールワールドカップ2023に向けたアメリカ代表の最後の強化試合で、ドイツ相手の逆転勝利に貢献したのがアンソニー・エドワーズだ。試合最多の34得点をあげただけではない。第4クォーター終盤の支配的なパフォーマンスで、アメリカを強化試合5戦全勝に導いている。

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試合後、スティーブ・カー・ヘッドコーチはエドワーズこそが「まぎれもなく」エースのような存在だと話した。

「彼も分かっているが、今ではチームも分かっている。ファンも分かったんじゃないかな。我々は毎日練習で見ているんだ。彼は自分こそが常に最高の選手だと信じている。とてもダイナミックな若手で、飛躍しつつあると思う」

ワールドカップで有力なメダル候補となるドイツを相手に、エドワーズはフィールドゴール21本中11本成功を記録した。その11本の中で特に目立ったショットを分析しよう。

マイケル・ジョーダンのシグネチャーショットを身につけたアンソニー・エドワーズ

プレイ

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分析

ドイツのショットが外れたのに続き、アメリカはタイリース・ハリバートンがボールを運ぶ。

アメリカはミスマッチを生かし、時間を無駄にしなかった。ハーフコートを越えるやいなや、ハリバートンがジョシュ・ハートにボールを預ける。そしてハートはすぐさま、ポストにいたエドワーズにパスを出した。

エドワーズをマークしていたのはデニス・シュルーダーだ。ガードにしてはワイドスパンが長い選手だが、エドワーズはサイズの面である程度の利点を持つ。『NBA.com』によれば、3インチ(約8センチ)と50ポンド(約23キロ)の差だ。エドワーズはそれを生かし、バスケットとシュルーダーを背にする。

Anthony Edwards vs. Germany (1)
(InStat)

アメリカはハートが離れ、ジャレン・ジャクソンJr.をダンクできる位置にとどめて、エドワーズのためのスペースを広げた。エドワーズが得点を狙っていることを理解し、ドイツはモリッツ・バグナーがジャクソンJr.から離れてヘルプにいき、エドワーズに少し重圧をかけようとする。

Anthony Edwards vs. Germany (2)
(InStat)

その右側からアタックするだけのスペースは十分でなかった。しかし、高い位置でポストアップしたことが利点となり、まだベースラインがオープンになっていたのだ。

エドワーズは素早いスピンでシュルーダーを引きはがす。

Anthony Edwards vs. Germany (3)
(InStat)

そして6フィート11インチ(約211センチ)のバグナーを相手に、冷静にジャンプショットを沈めた。

Anthony Edwards vs. Germany (4)
(InStat)

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重要性

このプレイが重要な理由はいくつかある。

まず、第4Qにエドワーズはまったく同じ動きから試合を決めたからだ。この日の34得点目となったのは、終盤のシュルーダー相手に決めたターンアラウンドジャンパーだった。これでアメリカは93-86とリードを広げたのだ。

この時は、シュルーダーにコンテストされた。だが、それはたいしたことではない。

次に、今後エドワーズがもっとこのショットを放つようになるかもしれないということだ。

『The Athletic』でミネソタ・ティンバーウルブズを追っているJon Krawczynski記者によれば、エドワーズはこの夏、ベースラインでのターンアラウンドに取り組んできたという。昨シーズンから始めたが、高確率で決めることはできていなかった。NBAのトラッキングデータによると、2022-2023シーズンのエドワーズのターンアラウンドジャンパーは、37本中11本成功(29.7%)。それまでの2シーズンは27本中10本成功(37.0%)だ。

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NBAの歴史で最も有名なターンアラウンドジャンパーを決めたマイケル・ジョーダンと比べ、エドワーズは高さで若干下回るが、それでも非常に有効なショットになり得る。6フィート4インチ(約193センチ)でウィングスパンが6フィート9インチ(約206センチ)に加え、爆発的な跳躍力を持つ。この組み合わせで、特にフェイダウェイした場合、エドワーズのショットをブロックするのは非常に難しくなる。

特にシュルーダー相手の2本目のショットは、ジョーダンのようだった。ジョーダンがやっていたようにダブルポンプできた選手はいない。

ジョーダンが決めていたショットの中には、まるで現実ではないようなものもあった。

昨季のエドワーズは1試合平均24.6得点を記録し、NBA有数の爆発的な得点力を持つ選手であることを証明した。リーグ史上最高のシグネチャーショットのひとつを身につければ、それはスーパースターとなるポテンシャルを解き放つためのさらなる一歩となる。

原文:Anthony Edwards adding Michael Jordan's signature shot makes Timberwolves and Team USA star unguardable(抄訳)

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Scott Rafferty

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Scott Rafferty is an experienced NBA journalist who first started writing for The Sporting News in 2017. There are few things he appreciates more than a Nikola Jokic no-look pass, Klay Thompson heat check or Giannis Antetokounmpo eurostep. He's a member of the NBA Global team.