サッカーCL、F1、スキーW杯などロシア開催を続々断念へ

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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ウクライナに軍事侵攻したロシア国内で年内に予定されていたスポーツイベントが続々と開催断念を発表している。2月25日には、サッカーのチャンピオンズリーグ決勝戦、F1世界選手権のロシアGP、スキージャンプのワールドカップの中止が決まった。

2月24日未明にロシア軍がウクライナ国境沿い全域から侵攻を開始し、すでに100名を超える死者と数百名におよぶ負傷者が報告され、その被害は民間人にもでているとされる。ミサイル攻撃でウクライナ各地が戦火に飲まれる映像も公開され、深刻度は日に日に増している。

こうした情勢からロシア国内で予定されている各スポーツイベントに対して懸念の声があがっていたが、主催する欧州サッカー連盟(UEFA)は、5月28日にサンクトペテルブルクで予定されていたサッカーのチャンピオンズリーグ決勝戦の開催地について、フランス・パリ近郊のサンドニに変更することを発表した。

大会メインスポンサーであるロシアのガスプロム社の圧力で変更されないという報道もあったが、情勢悪化に伴いフランスに変更された。サッカー界では、ワールドカップ予選についてもロシア以外のポーランド、スウェーデン、チェコがロシア開催地に反対をする声明を発表したほか、ウクライナサッカー連盟は、ロシア代表の出場禁止を求めている。

また、F1世界選手権の主管団体である国際自動車連盟(FIA)は、9月23〜25日にソチで予定されるロシアGPの中止を発表した。「F1と各チームは進むべき方向性について協議し、すべての関係者が現在の状況において、ロシアGPの開催が不可能であるという結論に至った」としており、開催地変更の通例通り、代替地での実施を検討している。

さらに国際スキー連盟(FIS)も、2月25日からサニーバレーで開幕したフリースタイルスキー・スキークロスのワールドカップを始め、同エアリアル(26〜27日ヤロスラブリ、3月5日モスクワ)、スキージャンプ女子(3月18~20日ニジニータギル、同25~27日チャイコフスキー)、ノルディックスキーのクロスカントリー(3月18~20日チュメニ)の中止を決めた。

日本を含め各国の各種目の選手から出場辞退のニュースが続いていたが、25日開幕のスキークロスW杯予選には自国ロシアの選手しか参加しておらず、公平性の面から今後の大会も含めて中止となったようだ。

また、先般のロシア企業によるスポンサードに関しても、サッカー界では日本代表MF板倉滉が所属するドイツのブンデスリーガ2部のシャルケがガスプロム社の企業名をユニフォームから外すと発表。英国プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドもアエラフロート・ロシア航空社との契約を解消した。

米国やNATOの軍事的な包囲網は及び腰だが、スポーツ界ではロシア包囲網が強まっている。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。