ボクシングにおけるPED問題の矛盾:違反者への一貫性のない罰則
近年のプロボクシング界にはびこる「パフォーマンス増強ドラッグ」(PED)問題。ここ数年、PED違反により注目カードが中止か延期となり、あるいは急遽代役を立てた試合が頻発し、ファンの興を削ぐ事態が起こっている。業界を横断的に総括する組織がない故に、罰則も曖昧な形で下されており、構造的な問題を抱えている。このPED問題について、『The Ring』誌(リングマガジン)出身で本誌格闘技部門副編集長のトム・グレイが、過去の事例とともに解説する。