女子バスケ日本代表・恩塚亨新HCが会見「目標は五輪金メダル」「重圧はあるが私がやることは変わらない」

及川卓磨 Takuma Oikawa

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東京オリンピックで新たな歴史を作ったバスケットボール女子日本代表が、新体制のスタートを切った。

9月22日、バスケットボール男女日本代表の新たなヘッドコーチたちの就任会見がオンライン形式で行われ、女子代表の指揮を執ることとなった恩塚亨新HCは「目標は(2024年に開催される)パリ・オリンピックで金メダルを獲得すること」と力強く語った。

恩塚新HCは2006年から東京医療保健大学女子バスケットボール部のHCを務め、インカレ4連覇(2017~2020年)などの実績を残すかたわら、2017年から女子日本代表のアシスタントコーチも兼任し、今夏の東京五輪での銀メダル獲得に貢献した。

そして、五輪から約6週間後の21日、前任のトム・ホーバスHCの後を継ぐ形で恩塚氏が女子代表HCに昇格したことが日本バスケットボール協会より 発表 された。

恩塚新HCは22日のオンライン会見で、自ら宣言したパリ五輪での金メダル獲得という目標達成のために必要なこととして「世界一のアジリティ(敏捷性)を追求する」と説明した。

「身長の高さ(世界の強豪国と比べて日本の身長が低いこと)をアジリティの高さで凌駕したいと考えています。アジリティとは、ネクストプレイへの速さや適応力のこと。原則の遂行とワクワクがカギです。瞬間瞬間の勝負で先手を取り、チームが躍動感をもってシンクロするバスケットを目指しています」。

また、女子代表の強化の肝は、『目的の設定』にあると考えていることも説明。目的は「バスケット界に夢を残すこと」であるとしている。

「夢を残すこととは何か。私たちの挑戦を見た方々が、私もがんばりたい、そんなふうに夢を抱けるようになることを意味します。私たちはそのために、バスケット界のロールモデルになりたいと考えています」。

「この挑戦が、選手の本当の力を、本当に強い力を引き出せると信じています。自分のがんばりが誰かの夢に繋がる、夢を残すことに繋がると信じている人間のほうが、自分の夢だけを追う人間よりも強いと信じているからです」。

五輪で銀メダルを獲得したチームを継承し、さらにその上を目指すという大きな目標を掲げた恩塚新HCは、「重圧はやはり大きいです」と心情を吐露する一方で、自身がやるべきことに集中すると語った。

「重圧について考えても私のやることは変わらないので、私はとにかく目の前の選手の心のエネルギーをどうやったらいっぱいにできるか、選手自身が『私ならできる』とどうやったら思えるようになるかということに自分の意識を集中して、日々、練習であったり、スタッフと力を合わせていくように考えるようにしています」。

恩塚新HCは、27日からヨルダンで開催されるFIBA女子アジアカップで代表HCとしての初陣を飾る(初戦は同日のインド戦)。同大会4連覇中の日本代表は、今大会で前人未到の5連覇を目指している。

なお、恩塚氏は、現在兼任している大学HCの仕事を2022年3月まで続け、同年4月から代表に専念する。東野智弥JBA技術委員長によると、恩塚HCの契約期間は「まずはパリ(オリンピック)まで」。契約内容の詳細は明らかにされていない。

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及川卓磨 Takuma Oikawa

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スポーティングニュース日本版編集長。千葉県生まれ、茨城県育ち。2000年日本大学卒。大学在学時を含めて丸14年間バスケットボール専門誌の編集者として企画立案・取材・執筆・編集・誌面制作・マルチメディア運営等に携わる。2013年秋にNBA日本公式ウェブサイト『NBA Japan』編集長就任。サイトやNBA日本公式ソーシャルメディアの新規開設に携わると同時にメディア運営を主導。2022年4月より現職。主な競技経験はバスケットボール、野球、サッカー。