FIBAワールドカップを終えた渡邊雄太、2年目のNBAシーズンに向けてメンフィスへ出国「必ず本契約を勝ち取って帰ってくる」

及川卓磨 Takuma Oikawa

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9月10日の夜にFIBAバスケットボール・ワールドカップ2019を戦った中国から日本へ帰国したばかりの渡邊雄太が11日、メンフィス・グリズリーズに合流するため羽田空港を発った。ワールドカップ5戦全敗と世界の強豪国との実力差をまざまざと見せつけられた日本代表としての1か月半にわたる活動を終えた渡邊は、現地9月30日に行なわれるグリズリーズのメディアデー、同10月1日から始まる2019-20シーズンに向けたトレーニングキャンプのため、日本到着から24時間も経たないうちに次なる戦いへと旅立っていった。

出国直前の会見で渡邊は「また新しいチャレンジができることをすごく楽しみにしています」と語っている。

「ワールドカップが終わってすぐにはなりますけど、今の自分に休んでいる暇はないと思う。少しでも早く(メンフィスに)行って練習したいというのが本音なので、すごく楽しみです」。

7月にNBAサマーリーグ、同下旬に日本代表合流、そこから約1か月半にわたる代表活動を経た渡邊は、様々な経験を積んで再びNBAプレイヤーとしての生活に戻る。ハードな夏を過ごした自身の現在のコンディションについて「正直言うと、めちゃめちゃ疲れています」と言うが、気持ちの切り替えはすでにできている。

「体も心も正直、疲れている。ただ、このタイミングで渡米することにしたのは、日本で2~3日休んで向こうに行ったとしても、また時差とかがあってしんどくなる。それであれば(メンフィスに)行ってしまって、時差を直しつつ体を休めれば、4~5日経てば時差も直った状態、体もリフレッシュされた状態で練習に参加できると思った。昨日の夜に帰ってきてもう今日(出発と)、まあバタバタですけど、このタイミングがベストだと思いました」。

昨年8月にグリズリーズと2ウェイ契約(NBAとGリーグのメンフィス・ハッスルの両方に出場できる契約)を結び、NBA15試合、Gリーグ33試合に出場した渡邊は、シーズン終了後の短いオフを挟んでこの夏もバスケットボール漬けの日々を過ごした。本来であればオフであるはずの期間を日本代表として活動したこの夏は、自身の成長にとっても大きな経験となったことを実感している。

「本当に忙しい夏でした。息をつく間もなく、あっという間に終わっていったなという感じです。楽しい思いも、悔しい思いもたくさんして、本当にいい経験ができたと思います。本来夏はバスケのシーズンじゃないんで、こんなに“濃いバスケの夏”を過ごせることはなかなかない。ワールドカップは本当に悔しかったですけど、改めて考えると楽しい夏だったなと思います」。

ワールドカップを終えた今、渡邊にとっての新たなシーズンはもう20日後に迫っている。今季はグリズリーズとの2年契約の最終年だ。自身にとってNBAでの生き残りをかけた重要なシーズンとなることは、本人が誰よりもよくわかっている。

「今は2ウェイ(契約)ということなので、今シーズンは勝負の年だと思っています。必ず本契約を勝ち取って、来年帰ってきたいと思っています」。

及川卓磨 Takuma Oikawa

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スポーティングニュース日本版編集長。千葉県生まれ、茨城県育ち。2000年日本大学卒。大学在学時を含めて丸14年間バスケットボール専門誌の編集者として企画立案・取材・執筆・編集・誌面制作・マルチメディア運営等に携わる。2013年秋にNBA日本公式ウェブサイト『NBA Japan』編集長就任。サイトやNBA日本公式ソーシャルメディアの新規開設に携わると同時にメディア運営を主導。2022年4月より現職。主な競技経験はバスケットボール、野球、サッカー。